それ以来、文句なしに『涙の女王』に没入したし、見ていて「まれにみる傑作だ」とワクワクした。

 こうしてクライマックスを迎えることになるが、たくさん仕掛けられてきた伏線がどのように結着するのかが気になっている。特にポイントになっているのがヘインの子供時代だ。彼女は海で溺れて助かったのだが、妹を救おうとした兄が溺死していた。

 このことがヘインと母親の不和の原因にもなっていたが、その兄の存在は、手術して記憶を失ったヘインにどのように関わってくるのか。そこのところに関心を向けている。

 韓国ドラマの場合、事前にたくさんの伏線を用意しながら結局はクライマックスで回収できないまま終わってしまう例を何度も見てきたが、『涙の女王』だけは、重要な伏線をきちんと回収する展開で終わってほしい。そして、安易なハッピーエンドにならないほうがいいと思っている。

 古今東西の名作を見ても、本当に記憶に残るクライマックスは常に哀しみを伴ってくる。その抒情的な感情がドラマの最終話でどのような余韻を残してくれるのか。そこに特に注目している。

●配信情報

Netflixシリーズ『涙の女王』独占配信中

[2024/全16話]演出:チャン・ヨンウ『不可殺』『抱きしめたい~ロマンスが必要3』、キム・ヒウォンヴィンチェンツォ』『シスターズ』 脚本:パク・ジウン『愛の不時着』『星から来たあなた』


出演: キム・スヒョン『星から来たあなた』『サイコだけど大丈夫』、キム・ジウォン『私の解放日誌』『太陽の末裔 Love Under The Sun』、パク・ソンフンザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』『サイコパスダイアリー』、クァク・ドンヨン雲が描いた月明り』『ヴィンチェンツォ』