■ペクパンの店は駅前やオフィス街の雑居ビル地下にある
外国人観光客が、ヒョヌが通っているようなペクパンチプを探すのは容易ではないかもしれない。旅行サイトやガイドブックにはあまり載っていないからだ。
ソウルの地下鉄1号線「鐘路3街」駅15番出入口の南側の路地にある人気店「全州食堂」は、定食の店ではあるが、センソンクイ(焼魚)がメインなので、いわゆるペクパンチプとはちょっと違う。
ソウルでペクパンチプを探すなら、駅前やオフィス街の雑居ビル地下1階に降りれば、たいてい飲食店が数軒あるので、そのなかの1、2軒はペクパンチプである可能性が高い。ランチどきにお客さんで賑わっている店を選べば外れはないだろう。
そうした店で、メニューに「ペクパン」とあったら、それは「日替わり定食」のことだ。一品料理のチゲやタンより小さめの器に入った汁物とごはんに、キムチやナムル、海苔などが3品~5品添えられる。ちなみに、劇中でヒョヌが食べていたテジプルとは、テジプルコギペクパン(豚焼肉定食)のことだ。
地方に行くとおかずが2~3品増える。ペクパンには店側が早く消費したい材料が使われるので、その店でいちばん安い料理よりも1,000ウォンほど安いことが多い。ソウル中心部なら8,000ウォンはするだろう。毎日外食する人にとってはそれでもありがたい。
財閥のお嬢さんのホン・ヘイン(キム・ジウォン)と結婚しても、自分らしいつましさを忘れないヒョヌの気持ちに寄り添う意味で、日本のみなさんにも一度、ペクパンを体験してもらいたい。