大ヒットドラマ『涙の女王』第7話で、クイーンズ財閥の婿である主人公ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)を尾行している男たち(コ・ギュピルイム・チョルス)が、財閥副会長ホン・ボムジュン(チョン・ジニョン)に結果を知らせるシーンがある。

 そのなかに、ヒョヌが「毎夜、『ハルモニソンマッ食堂』というペクパンチプでごはんを食べている」という報告があった。

 今回はこの「ペクパンチプ」について紹介しよう。

■『涙の女王』前半、主人公ヒョヌは毎晩、定食屋で一人メシを食べていた

 ペクパンチプの「ペクパン」は「白飯」の韓国語読み。「チプ」は「家」や「店」を表す固有語だ。日本語字幕の通り「定食の店」が適訳である。

 日本の旅行者がペクパンチプで食事する機会はあまりないだろう。旅行者はほとんどの場合、肉料理とか魚料理など何らかの専門店に行くからだ。

 そうした店は「○○タッカンマリ」とか「○○ナクチポックム」のように店名にメインの料理名が入っていることが多い。

 劇中の「ハルモニソンマッ食堂」という店名は、「おばあちゃんの手作り食堂」のような意味だ。看板には「家庭式韓定食専門店」とある。

 韓定食というとテーブルいっぱいに料理が並ぶ豪華なものを想像するが、「家庭式」という言葉が冠されると、大衆的な料理だとわかる。まさに定食である。

上の写真と同じソウルの店、翌日のペクパン。汁物は干し鱈と大根のスープ