Netflixの今夏人気作『Missナイト&Missデイ』は、ひょんなことから20代と50代を夜と昼で行ったり来たりすることになってしまった女性、ミジンの物語だ。
サスペンスの要素もあるが、昼間のミジン(50代のイム・スン)をイ・ジョンウンが演じ、夜のミジンをチョン・ウンジ(Apink)が演じているだけにコミカルな場面も多く、とくに13話は大いに笑った。今回はそんな場面に登場した食べ物にフォーカスしてみよう。(一部、作品のネタバレを含みます)
■昼間からビール3缶、ソジュ2本を空けたヒロインと親友、食べていた料理は?
『Missナイト & Missデイ』13話。週末、親友ガヨン(キム・アヨン)の部屋で昼酒に興じるイム・スン(昼間のミジン)。すでにKellyのビール3缶、ジンロイズバックのソジュ2本を乾し、3本目に突入している。テーブルの上にはサンチュらしき葉野菜とプラスチックケースに入った赤い食べ物が見える。
プラスチックケースに入った食べ物といえば、韓国では誰もがペダル(韓国語で配達の意味)、つまり出前(デリバリー)した食べ物を連想する。この日はストレスの多いイム・スンの姿をしたミジンのために、昼酒を飲むことになり、ガヨンが出前でつまみを頼んだのだろう。
しかし、その赤いつまみが何なのかがよくわからない。我が国には赤い食べ物が多過ぎるからだ。赤いソースをかぶったヤンニョムチキンかと思ったが、チキンに葉野菜は添えられない。ガヨンもミジンもプルチョッパル(激辛豚足)が好きだが、イム・スンの表情を見る限り、激辛を欲するほどむしゃくしゃしているわけではなさそうだ。
赤いつまみの正体は、同じマンションに住むケ・ジウン検事(チェ・ジニョク)の家に来ていたチュ・ビョンドク捜査官(ユン・ビョンヒ)が突然ガヨンの家を訪れたことで明らかになる。
慌てて別室に隠れるイム・スン。ガヨンに気があるビョンドクは彼女が誰かと一緒に居たのではと疑うあまりテーブルに目を向けたので、料理がアップになったのだ。
料理の名前はジェユクポックム。豚肉の甘辛炒めだ。日本の人にはあまり知られていない料理だが、韓国人にとってはランチでよく選ばれるメニューのひとつ。看板料理のある専門店ではなく、雑居ビル地下街の大衆食堂にはかならずと言っていいほどある食べものだ。
豚肉と野菜(タマネギ、ネギ、ニンジンなど)をコチュジャンベースの甘辛ダレで炒めるだけなので、家庭でもよく作られている。緑のサンチュと赤い豚肉は相性抜群でヘルシー。目にも涼しげだ。味がはっきりしているので酒のつまみにも好適で、冷えたソジュはもちろん、ビールにも合う。