■『Missナイト & Missデイ』15話と16話で頭に浮かんだ、韓国映画屈指のラブストーリー
2000年頃から韓国の映画やドラマの魅力に気づいていた人なら、『Missナイト & Missデイ』の15話、16話のふたつのシーンで、ある映画を思い出さずにはいられなかっただろう。
ひとつは15話の後半、ジウン検事の相棒、ビョンドク捜査官(ユン・ビョンヒ)に対するある疑念が晴れたガヨンのセリフだ。
「その話、ウチで詳しく聞かせてください。ラーメンでも食べながら」
もうおわかりだろう。帰ろうとする男子(ユ・ジテ)を「ラーメン食べて行かない?」と女子(イ・ヨンエ)が引き止めるシーンが話題となった『春の日は過ぎゆく』(2001年)である。ハン・ソッキュ&シム・ウナ主演の名作『八月のクリスマス』(1998年)を撮ったホ・ジノ監督の作品だ。
このラーメンのシーンへのオマージュとして、多くの恋愛ドラマが似たような場面を挿入している。
そして、もうひとつは、桜並木をバックに撮影された16話のラストシーンだ。
忠清北道清州市郊外のミウォン自転車道路で撮影されたと思われる『Missナイト&Missデイ』の桜並木のラストシーンは、イム・スン(イ・ジョンウン)の少女のような笑顔が目に焼き付く心温まる場面だったが、『春の日は過ぎゆく』のそれは、胸がしめつけられるような切ないシーンだった。
この映画は、惹かれ合うふたりの高揚感と冷めていく気持ちのギャップ、そして別れに至る胸の痛みが繊細かつ生々しく描かれているので、夏の終わりにぜひ観てもらいたい。