韓国にはかなりの種類のビールがある。コンビニに入り、ビールが陳列された冷蔵庫を眺める。カス(Cass)、ハイト(hite)、ケリー(Kelly)……。日本やアメリカなどの外国産ビールも少なくない。
日本はビールはビールとして飲むので、味の違いは微妙な世界に入り込んでいる気がする。それに比べると、韓国のビールの差はもう少しある。理由はソジュと呼ばれる焼酎をビールで割って飲むことが多いからのような気がするのだが。
■韓国のお酒の飲み方、焼酎のビール割のステラとは?
韓国には爆弾酒という飲み方がある。焼酎のビール割である。以前、韓国人からこんな言葉を聞いたことがある。
「本当はウイスキーのビール割を飲みたいんだけど、韓国は外国のウイスキーに高い関税をかけているので、それができない。しかたなくソジュをビールで割っているんです」
ウイスキーのビール割……。僕はその洗礼を、新聞社に入社して受けている。報道系の部署にはデスクに囲まれたソファがある。夜も10時をまわると、酒盛りがはじまる。そこでよく飲んでいたのが、ウイスキーのビール割だった。それは味わう酒というより、ただ酔うためのものだったように思う。
爆弾種のルーツはアメリカだともいわれる。ウイスキーのビール割である。韓国の知人はそれを意識していたのだろうか。
韓国の爆弾酒にはふたつの飲み方があった。ひとつは、ソジュが入った小さなガラス製のグラスを、ビールの入ったグラスにぼとんと沈めて飲むスタイルだった。パフォーマンス性があった。
もうひとつは、ソジュとビールを3対7ぐらいの割合で混ぜ、マドラーでかなり激しくかきまわして飲む方法だった。こうして飲む人のほうが多かった。
爆弾種には酔うための酒というイメージがついてまわるが、それはビールに主眼をおいたときの印象だと思う。韓国のように、ソジュを小さなグラスで、くいッと飲むのが一般的な世界では、「ソジュを薄めて飲む」という考え方もできる。
ソジュのアルコール度数は20度前後だ。僕は韓国人との飲み会で何回もソジュ攻撃を受けている。正直いって、あれはかなりきつい。爆弾種をちびちび飲んだほうが楽という一面がある。
あくまでもソジュをそのまま飲むこととの比較なのだが、爆弾酒にすると、かなり飲みやすくなる。ソジュにはさまざまな種類があるが、概して甘い。それがビールの苦味で薄くなるということもあるかもしれない。