U-NEXTで配信中の『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』。序盤から傑作にふさわしい内容が続いているが、第6話は今までの韓国ドラマにはまったくなかったストーリーだった。その革命的な展開を解説してみよう(以下、一部ネタバレを含みます)
■傑作時代劇『オク氏夫人伝』見どころは?ストーリー展開に注目
第1話から怒涛の流れで素晴らしい展開になっている『オク氏夫人伝』。主役のイム・ジヨンが演じる奴婢のクドクは、両班(ヤンバン)の主人から凄まじい虐待を受け、逃亡の末に数奇な運命を経て、良家の令嬢オク・テヨンとなった。自ら人生を細工したわけではなく、様々な出会いが彼女を生まれ変わらせたのだ。
以後、彼女は持ち前の英知を生かして、外知部(ウェジブ/弁護人)の人間として被告人の代弁者になっていた。そして迎えたのが第6話だった。
地元の有力者イ・チュンイル(キム・ドンギュン)は不正な鉱石の発掘を行って富を得ていた。しかも、子供をあくどく労役に使っており、本当にひどい男だった。その発覚を恐れた彼は、オク・テヨンの夫ソン・ユンギョム(チュ・ヨンウ)に逆賊の罪をきせて、義父である県監ソン・ギュジン(ソン・ドンイル)を死にいたらしめた。まさに、イ・チュンイルは究極のカタキであった。
しかし、憎き相手が大罪に問われたとき、オク・テヨンはイ・チュンイルの弁護を申し出た。
観察使の前で彼女は、「二つの罪が同時に発覚したときは一つだけ罪に問うこと、自首すれば免罪になること」という2つを根拠にして、罪人の減刑を申請した。さらに「特別な恩情を施せば似たような罪人たちの戒めとなり、国を豊かにする結果をもたらす」と熱弁。その弁護ぶりは誠に見事であった。こうしてオク・テヨンのおかげでイ・チュンイルは免職だけで済んだ。
普通ならオク・テヨンが一番憎きカタキに復讐するのが必然的な流れであり、今までのドラマだったら必ずそうしただろう。それでこそ、ようやく視聴者は留飲を下げることができるのだ。
しかし、『オク氏夫人伝 』はまったく違った。なんと、オク・テヨンが自らカタキの命を救ったのだ。