その後の展開も見事だった。命を救われたイ・チュンイルが、こともあろうにオク・テヨンを罵ったのだ。両班として卑下している者に助けられて面目が潰れた、というわけだ。そのとき、オク・テヨンは毅然と言った。
「許してはいない。ただ法にのっとって平等に弁護する務めを果たしただけだ。それが義父の思いに報いること。そして、法の前で誰でも平等だという原則に従ったのだ。罪人であろうと弁護するのが真の外知部」
この展開を見ていて、底知れない感動が起こってきた。本当に憎い相手でも、復讐するだけでは決して問題の解決にならない。何よりも、常に平等の原則を守り抜くことが大切なのだ、と。
まさに、革命的なストーリーだと実感した。絶好な復讐の物語を捨てて新たな特上のエピソードを構築する……そういう冒険的な試みを見せた『オク氏夫人伝』は、常識を超えた「とてつもないドラマ」なのである。
●配信情報
『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』
U-NEXTにて独占配信中※毎週日・月曜日配信
［2024年／全16話］演出：チン・ヒョク『シーシュポス：The Myth』『青い海の伝説』『主君の太陽』 脚本：パク・ジスク『アンクル〜僕の最高のおじさん〜』『私の人生の春の日』
出演：イム・ジヨン『庭のある家』『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』、チュ・ヨンウ『田舎街ダイアリーズ』『トキメク☆君との未来図』、キム・ジェウォン『ヒエラルキー』『キング・ザ・ランド』、ヨンウ『ナンバーズ ビルの森の監視者たち』『ゴールデンスプーン』
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