これまで、朝のコンビニコーヒーでそれほど悩んだことはなかった。機械のよこにカップがセットされていて、サイズを決めて抜きとり、それをセットして、アメリカン、ホットなどといった英語表示のボタンを押せばよかった。そしてコーヒーの入ったカップをカウンターにもっていけば支払いをすませることができた。入った店がCUだったのだろうか。あるいは旧式の機械が置かれた店だったのだろうか。

 困ってカウンターで訊いてみた。英語で伝えた。店員の若い男性はすぐにわかり、空のコップが差しだされた。そこで料金を払ったのだが、どこでコップにコーヒーを入れるかがわからない。

 その様子を察した男性スタッフは、カウンターから出て、コーヒーマシンの前まで連れていってくれた。

「これ?」

「はい。隣も、その隣もコーヒーマシンですが、高級豆やラテなどの専用です。普通のアメリカンはこれ」

 周りの機械に比べるとひとまわり小さく、英語表示もなかった。親切なスタッフだった。カップをセットし、アメリカンでホットのボタンを押してくれた。

 コーヒーが入るまで周囲の機械を眺めた。どれも最新鋭といった感じでぴかぴかしている。英語表示もある。そして料金も高かった。

 それに比べて、僕の前にある機械はどこか古く、みすぼらしい。近々、新しい機械に変わるのかもしれないが、なにかいちばん安いコーヒーマシンは冷遇されているようにも映る。

 話では韓国のコンビニの収益率がよくないという。きっと店が多すぎるのだ。そのなかで省力化を図っていると聞いた。だからといって……という思いはある。

 しかしその流れは、ソウルのコンビニの既定路線になっているような気がする。

 僕が毎日通ったGS25もそうだった。入口を入ると、左右にアームのついたロボットが鎮座していた。ガラスケースに入っていて、外から操作する。フラッペ、ポップコーン、ピザ……。どれも無人である。ロボットがつくってくれるのだ。GS25はこの道を進もうとしているのか。(つづく)

左隅の小さな機械が、普通のコーヒーマシンです