■釜山を感じさせる女優は誰か? チェ・ジウ、キム・ヘス、チョン・ユミも釜山出身だが…
女優で釜山を感じさせる人となると、男優以上に見つけにくい。
チェ・ジウ、キム・ヘス、キム・テヒ、チョン・ユミは釜山出身だが、四人とも都会的なイメージが強過ぎる。釜山弁を話した作品でもあればよいのだが、ユン・ヨジョン主演のバラエティ番組『ユンステイ』に出たときのチョン・ユミくらいしか思い浮かばない。
ソン・ガンホ主演の『弁護人』で息子役のイム・シワンとともにナチュラルな釜山弁を聞かせてくれたキム・ヨンエ(2017年没)は、美貌と訛りのアンバランスさが印象的だった。彼女は影島出身だ。
パイプレイヤーだが、釜山弁といえば映画『悪いやつら』でヤクザの情婦を演じたキム・ヘウンも忘れられない。粘っこい釜山弁でチェ・ミンシクをののしりながら、つかみ合いのケンカをするシーンは大変なインパクトがあった。彼女も釜山の生まれだ。
若手では、Apinkのメンバーのチョン・ウンジが『応答せよ1997』で釜山弁を披露している。共演したソ・イングクも釜山文化圏の蔚山(ウルサン)出身なので、訛りはホンモノだった。また、『Missナイト&Missデイ』でチョン・ウンジが演じた気取りのない奔放なミジンは、釜山的なキャラクターと言ってよいだろう。
釜山が舞台の映画といえば、『国際市場で逢いましょう』とともに、『カンチョリ オカンがくれた明日』『友へ チング』が思い浮かぶ。
『カンチョリ~』には釜山生まれのキム・ヘスクが準主役で出演。本作に限らず、彼女は母性的で生活力があるキャラクターを演じることが多い。その意味では、『ドクタースランプ』でハヌル(パク・シネ)の母に扮したチャン・ヘジンとともに古典的な釜山女性と言ってよいだろう。
『友へ~』でヒロインを演じたキム・ボギョン(2021年没)は劇中の釜山弁がチャーミングだった。韓国で女子の釜山弁は「愛嬌がある」と大変な人気なのだが、彼女はその典型だ。
釜山出身ではないが、みごとな釜山弁を披露した女優といえば、『弁護人』のイ・ジョンウンだろう。釜山文化圏出身のソン・ガンホ相手に堂々と釜山弁で渡り合っていた。彼女は各地の訛りを再現することに長けていて、『パラサイト 半地下の家族』では北朝鮮のアナウンサー口調を、『タクシー運転手 約束は海を越えて』では全羅道弁を披露していた。
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