さらに、息詰まる場面が続く。オク・テヨンのおかげで免罪となったイ・チュンイルが、恩を仇(あだ)で返すようにオク・テヨンを罵倒した。それは、見下していた女性に救われたことで面目が潰れた、という傲慢な理由だった。

 そのとき、オク・テヨンは「許していない。法にそって誰でも平等に弁護する務めを果たしただけ」と理路整然と言い放った。そのときのイム・ジヨンの演技力は、自然の摂理を垣間見るような重みがあった。

 百想芸術大賞に話を戻すと、仮に「主演女優賞」であれば、イム・ジヨンの場合はまだ「華」が少し足りない、と思わないわけではない。しかし、演技力を重視した「最優秀演技賞(女性)」であれば、ノミネートされた5人の中にイム・ジヨンは入っていなければいけない人だった。それほど、『オク氏夫人伝』での演技は圧巻だった。

『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』U-NEXTにて独占配信中 (C) SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.

●配信情報

『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』U-NEXTにて独占配信中

[2024年/全16話]演出:チン・ヒョク『シーシュポス:The Myth』『青い海の伝説』『主君の太陽』 脚本:パク・ジスク『アンクル〜僕の最高のおじさん〜』『私の人生の春の日』

出演:イム・ジヨン『庭のある家』『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』、チュ・ヨンウ田舎街ダイアリーズ』『トキメク☆君との未来図』、キム・ジェウォンヒエラルキー』『キング・ザ・ランド』、ヨンウ『ナンバーズ ビルの森の監視者たち』『ゴールデンスプーン

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