印象的な出演作がもうひとつある。チャン・リュル監督作、パク・ヘイルとシン・ミナ主演映画『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』(2014年)だ。
シン・ミナ扮するユニら慶州の人々が、旅人のヒョン(パク・ヘイル)を交えて飲み会を始める。計5人のメンバーのうち男性は3人。そのなかの人当たりのよいフローリストがリュ・スンワンだ。花を扱う人らしい物腰のやわらかい男性役は、影のあるヒョンやユニ、エゴ丸出しの教授(ペク・ヒョンジン)、あとから加わる陰気な刑事(キム・テフン)の3人が作り出すギスギス感をやわらげる愛すべきキャラクターだった。
リュ・スンワンの演技のハイライトは、二次会のカラオケボックスのシーン。ティッシュを使って器用にこさえた花一輪を、歌唱中のユニにひざまずいて捧げる場面だ。筆者がソウルの劇場でこの映画を観たときは、笑いが起きていた。
監督として第一線にいるリュ・スンワンだが、友情出演でもいいので、またスクリーンに姿を見せてもらいたい。
