●『二十五、二十一』(2022年)/脚本:クォン・ドウン
1997年の経済危機、2001年の同時多発テロといった時代の転換期を織り込みながら、フェンシングの天才少女がオリンピック3連覇を成し遂げる過程を青春群像劇としてスリリングに描いていた。
苦学生がニュースのアンカーに成長していく中で愛の行方がどうなっていくのか、という後半の物語は、愛の喜びと切なさに満ちあふれていて、涙なくしては見られなかった。
●『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(2022年)/脚本:ムン・ジウォン
天才弁護士ウ・ヨンウ(パク・ウンビン)のキャラ設定が巧みで、自然と彼女を応援したくなった。
1話あるいは2話完結で展開される訴訟案件も社会生活にマッチしていて興味深かったし、ウ・ヨンウが独特のひらめきで解決していく流れも、傑作推理小説のようなオチがあって大いに楽しめた。何よりも、脚本の完成度が際立っていた。
●『オク氏夫人伝』(2024~2025年)/脚本:パク・ジスク
第1話のたたみかけるような場面展開、悪人を善人に変えてしまうキャラクター激変、復讐を放棄して法と秩序で公平な社会をめざす試み……「目からウロコ」を何度も経験するほど脚本が無双だった。
すべての伏線が一気にラストシーンに集結する見事さにただ感服。すべてを見終わった後の至福の余韻に心から感謝した。