映画では、史実に基づいた『茲山魚譜 チャサンオボ』を思い出す韓国人が多い。朝鮮王朝の後期に起きた辛酉迫害(キリスト教徒とその影響を受けた実学者に対する弾圧)で、兄チョン・ヤクチョン(ソル・ギョング)は黒山島に、弟チョン・ヤギョン(リュ・スンリョン)は康津に流された。

『隠し味にはロマンス』のボムが滞在している全州は、今でこそ高速鉄道に乗ればソウルから2時間前後で行けるが、朝鮮王朝時代は辺境の地だったはずだ。
兄から島流しと皮肉られながらも、全州で奮闘し、人間味を取り戻しつつあるボムは、再びソウルに返り咲くことができるのか? それとも、『茲山魚譜 チャサンオボ』のヤクチョンのように “置かれた場所で咲く” ことができるのだろうか? 物語の展開に注目したい。
●配信情報
Netflixシリーズ『隠し味にはロマンス』独占配信中
[2025年/全10話]演出:パク・ダンヒ『弱いヒーロー Class1』(共同演出) 脚本:チョン・スユン『少年飛行』 クリエイター:ハン・ジュンヒ『D.P. -脱走兵追跡官-』シリーズ(演出・脚本)、『弱いヒーロー』シリーズ(クリエイター)
出演:カン・ハヌル『椿の花咲く頃』、コ・ミンシ『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』『五月の青春』、キム・シンロク『地獄が呼んでいる』シリーズ、ユ・スビン『愛の不時着』『弱いヒーロー Class2』、ペ・ナラ『D.P. -脱走兵追跡官-』シーズン2、ホン・ファヨン『埋もれた心』、ペ・ユラム、オ・ミネ