見た目はそっくりだが、性格は正反対という双子の姉妹が、あることをきっかけに互いに入れ替って生きることにする。そんなユニークな設定の『未知のソウル』がNetflixで人気急上昇中だ。

今日もあなたに太陽を~精神科ナースのダイアリー』などで、心に染みる演技に定評のあるパク・ボヨン(『恋するムービー』『照明店の客人たち』)が、性格の異なる双子の姉妹ユ・ミレとユ・ミジの2役を演じている。双子の高校時代の同級生で、妹のミジが密かに想いを寄せていたイ・ホスに扮するのは、GOT7ジニョンパク・ジニョン/『魔女-君を救うメソッド-』『ユミの細胞たち』)である。

 いくら装っても、本来の性格や言動がところどころに現れてしまうミレとミジ。「見破られてしまうのではないか」と、毎回視聴者をハラハラドキドキさせる仕掛けが見事だ。(以下、一部ネタバレを含みます)

■双子の姉妹2役を演じるパク・ボヨン、GOT7ジニョン共演のNetflixヒューマン作『未知のソウル』

 双子の姉妹、ミレとミジ(パク・ボヨンが2役)は、母親(チャン・ヨンナム/『となりのMr.パーフェクト』『サイコだけど大丈夫』)でさえ見分けがつかないほど、見た目がそっくりだ。しかし、性格は全くの正反対である。

 合理主義で頭脳明晰なミレは、奨学金を受け、ソウルの名門大学卒業後、韓国金融管理公社の花形である企画戦略チームで働き、実家に仕送りをしている。それに対してミジは、高校時代に足首を負傷し、短距離選手としての夢を打ち砕かれて以来、30歳を迎えても定職に就かず。脳梗塞で倒れ、療養病院に入院中の祖母(チャ・ミギョン/『おつかれさま』『ジャガイモ研究所』)の看病をしながら、母の故郷のドゥソン里でその日暮らしの生活を送っている。

 そんなミジが、母の使いでソウルに住むミレに会いに行ったことで、2人の運命が大きく変わる。実は、ミレは職場でいじめに遭い、一切仕事をさせてもらえず、ひどく悩んでいた。それを知ったミジは、お互いが入れ替わることで、最悪の状況をなんとか乗り越えようと提案し、ミレもそれに応じる。

 大人になるにつれ、次第に心が離れていったミレとミジだが、入れ替わったことにより、お互いを少しずつ理解し合えるようになっていく。そんな2人の成長の過程に大きく関与するのが、イ・ホスとハン・セジンという2人の人物である。

 ミレを装うミジの前に現れるのが、高校時代の同級生で、韓国一の大学を卒業し弁護士になったイ・ホス(パク・ジニョン)だ。つらい時に相手の優しさにより互いに救われる2人が、少しずつ心を開き、距離を縮めていく過程が丁寧に描かれている。

 一方、ミジを装うミレが働くイチゴ農園の経営者、ハン・セジン(リュ・ギョンス/『ソンサン-弔いの丘-』『梨泰院クラス)は、不器用でどこか謎めいている。祖父の残した農園を継いでイチゴ農家を始めたものの、うまくいかず。履歴書の経歴を未記入で応募してきたミレ(履歴書を書いたのはミジだが)に可能性を感じ、共同経営者として雇い入れることにしたのだ。正体不明のセジンに、ひょうひょうと対応するミレ。2人の関係も大変興味深い。

 勤務先の公社の新社屋建設のために、ミジが立ち退き交渉をする食堂の女主人、キム・ロサ(ウォン・ミギョン/『ワンダフルワールド』『世界で最も美しい別れ』)、ホスが憧れる先輩弁護士イ・チュング(イム・チョルス/『貞淑なお仕事』『ヴィンツェンツォ』)、ホスの母で小学校教頭のヨム・ブノン(キム・ソニョン/『トラウマコード』『愛の不時着』)など、ミレとミジの周辺人物もかなり個性的である。

 また、ホスの少年時代を演じるパク・ユンホは、『愛は一本橋で』では高校時代のユン・ジウォンに心を寄せる後輩を、『いつかは賢いレジデント生活』では大学生の妊婦のカレを演じている。目力の強さが印象的で、今注目の若手俳優だ。

 演出は『星がウワサするから』『サイコだけど大丈夫』のパク・シヌと、『プライバシー戦争』『愛の温度』のナム・ゴンの共作。脚本は『五月の青春』のイ・ガン。『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』『愛の不時着』など、数多くのドラマの音楽を手掛けたナム・ヘスン音楽監督と、作曲家のパク・ジンホがタグを組んだOSTにも期待したい。

Netflixシリーズ『未知のソウル』独占配信中

●配信情報

Netflixシリーズ『未知のソウル』独占配信中

[2025年/全12話]演出:パク・シヌ、ナム・ゴン 脚本:イ・ガン

出演:パク・ボヨン、パク・ジニョン(ジニョン/GOT7)、リュ・ギョンス、ウォン・ミギョン、チャン・ヨンナム、キム・ソニョン、イム・チョルス、チャ・ミギョン、イ・ジェイン、パク・ユノ