全州の路地裏食堂「ジョンジェ」を舞台としたNetflixドラマ『隠し味にはロマンス』8話では、店主のヨンジュ(コ・ミンシ)が、ボム(カン・ハヌル)、ミョンスク(キム・シンロク)、チュンスン(ユ・スビン)らスタッフの慰安旅行と称して車で旅に出たが、着いた先は山寺だった。(以下、一部ネタバレを含みます)

■ 『隠し味にはロマンス』に登場したテンプルステイ、尼僧役ファン・ジョンミンの福々しさ

『隠し味にはロマンス』で「ジョンジェ」の4人が訪れた寺院での仏教体験は「テンプルステイ」と呼ばれ、韓国の観光資源のひとつになっている。劇中の4人も、寺で法衣を着せられ、座禅を組んだり、野菜のビビンパを食べたり、数珠づくりをしたりして過ごした。

 じつはこの寺は、赤ん坊のヨンジュが母親に捨てられた場所だった。尼僧の住職(ファン・ジョンミン)が母代わりだったという彼女の生い立ちが初めて明らかにされたのだ。

 尼僧に扮した女優ファン・ジョンミンは、映画『怪しい彼女』やドラマ『離婚弁護士シン・ソンハン』がそうであったように、姑にいじめられる気の毒な役のイメージが強いのだが、本作では菩薩のように円満で福々しい人物を好演し、これまでの苦労がむくわれたかっこうだった。

筆者が体験したテンプルステイの食事はビュッフェ形式。料理はニンニク不使用、唐辛子もごくわずか
筆者が普賢寺でいただいた朝食。惣菜をごはんにのせればビビンパに
洛山寺での尼僧による法話