■あんをかけない韓国式酢豚は最高のビールのつまみ
日本で町中華飲みが人気なように、韓国の町中華にも酒のつまみになるものは多い。なかでも筆者がおすすめしたいのが、ソン・シギョンと松重豊が食べていたタンスユク(酢豚)だ。
ソン・シギョンが番組で説明していたように、韓国の中華料理店では揚げ豚と甘いあんが別々に出てくることが多いので、好みで、揚げ豚をそのまま食べたり、別添えのあんにつけて食べたり、揚げ豚にあんを全部かけたりして食べている。
各自好きに食べればよいのだが、暑い季節に冷えたビールのつまみにするなら、揚げ豚そのままがおすすめだ。少しコショウをふってもよい。フライドチキンのような感覚で食べられる。
味変したくなったり、ビールからソジュに切り替えたりするときに、あんをつけたり、かけたりするとよいだろう。甘いあんとドライなソジュの相性はなかなかのものである。

韓国の町中華の雰囲気をよく伝える作品としては、ホン・サンス監督の映画『女は男の未来だ』が挙げられる。キム・テウとユ・ジテ扮する大学の先輩後輩が、鐘路の小さな中華料理店でアルコール度数が50度を超える高粱酒を数本空けながら無為な時間を過ごす様子が描かれている。
ドラマ『カジノ』や『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』に出演しているリュ・ヒョンギョンの二十歳の姿が見られる映画『ザ・ブライド 花嫁はギャングスター2』では、麺打ち作業から出前の様子など、中華料理店の裏方仕事をじっくり見ることができる。
また、映画『ケナは韓国が嫌いで』のチャン・ゴンジェ監督作品『十八才』では、ドロップアウトしかけている高校生(ソ・ジュニョン)が庶民的な中華料理店でバイトする姿がリアルに描かれている。
