1975年生まれのチェ・ジウは今年6月11日に50歳になった。結婚して娘を育てながら女優としても変わらぬ活躍を続けているが、彼女が最も輝いたのが、2002年から2004年の時期だった。社会現象を巻き起こした『冬のソナタ』で「涙の女王」と評価され、その次に主演した『天国の階段』では視聴率40%以上を記録して「視聴率の女王」と称賛された。当時の「チェ・ジウ旋風」を振り返ってみよう。
■『冬のソナタ』『天国の階段』で巻き起こった「チェ・ジウ旋風」
大人気となった『冬のソナタ』の放送が2002年3月に終わってから、チェ・ジウは何をしていたのか。
「『冬のソナタ』の後は10カ月も休みましたが、デビューして8年間でこんなに長く休んだのは初めてでした」
当時、そう語っていたチェ・ジウ。「休みすぎたので、そろそろドラマに戻りたい」と思ったときにオファーがあったのが、SBSが放送する『天国の階段』だった。
「1人の女性をめぐって2人の男性が争いますが、究極的には3人がお互いに支え合って生きるという素材が新鮮でした。韓国にはなかったタイプのドラマで、十分に共感できます」
このように、チェ・ジウはすっかりストーリーが気に入っていた。実際、『天国の階段』では、交通事故、記憶喪失、難病、四角関係が描かれている。これらは『冬のソナタ』でも使われていたネタ。確かに、展開が『冬のソナタ』と似ている部分もあるが、演じる俳優と演出方法が違うのでテイストはまるで別だった。
軸となるキャスティングは4人。幼なじみのチョンソ(チェ・ジウ)とソンジュ(クォン・サンウ)は未来を誓った恋人同士。しかし、チョンソの義妹となったユリ(キム・テヒ)が極端に邪魔をする。ついに、ユリが運転する車にひかれてチョンソは大怪我を負って記憶喪失になってしまう。そんなチョンソを支えたのが、義兄のテファ(シン・ヒョンジュン)であった。
大企業の社長となったソンジュは、記憶喪失に陥っていたチョンソを追いかけるが、彼女は初恋の人のことを気づかない。そのジレンマを中心に前半の物語が進む。後半は、記憶を取り戻したチョンソとソンジュの愛が描かれるが、そこに病魔が忍び寄ってくる……。
この『天国の階段』の第1話の放送は2003年12月3日。視聴率は15・5%で、好調な滑り出しだった。第2話では早くも21・9%を記録。以後も放送ごとに視聴率を上げていき、第10話では40・6%の数字をあげた。あの『冬のソナタ』でも、最高視聴率は30%を越えていない。それを考えると、『天国の階段』の高視聴率は別格だった。