ヒーリングロマンスとして話題のNetflix配信ドラマ『未知のソウル』は、生まれてからずっと田舎暮らしをしていたミジ(パク・ボヨン)の目線で、ソウル各所の絵になる風景を見せてくれる。それは50年以上ソウルに住んでいる筆者の目にも新鮮に映る。ガイドブックにかならずと言っていいほど取り上げられているソウルの観光名所の魅力を、ドラマを通じてあらためて振り返ってみよう。
■Netflix『未知のソウル』に登場するソウルの観光名所、心安らぐ南山と漢江の美景
『未知のソウル』第2話の後半、高校生時代のミジが放課後の図書館で目をキラキラさせながら、同級生のホスに行ってみたいソウルの観光名所をいくつも告げている。そのひとつが南山(ナムサン)だ。
南山は旧市街(漢江の北側)にそびえる243メートルの山。頂上には236メートルのNソウルタワーが建っていて、標高479メートルの高さからソウル全域を眺められる。


「ソウルは中央部に山があって、そのふもとに大きな川(漢江)が流れているから、都会なのにどこか景色がやさしいですね」
東京から来た日本の旅行者にこんなふうに言われてハッとすることがある。長いことソウルに住んでいるので、ありがたみを感じなくなっているが、たしかにそうだ。

筆者は打ち合わせなどで市内を忙しく移動する際、地下鉄1号線や7号線で漢江を渡り、ほんの数分だが川面の波光やランニングしている人の姿を見るとホッとする。
時間があるときは、地元、ソウル東部の広津橋(クァンジンギョ)を歩いて渡る。歩行者と自転車の専用レーンがあるので安全なのだ。途中で休んだり写真を撮ったりしながら30分くらいかけてゆっくり渡るのが楽しみ。この橋では日本でもヒットしたドラマ『IRIS-アイリス-』で、主演のイ・ビョンホンとキム・テヒがたがいの心を癒し合う場面が撮影された。
