南北分断を背景としたポリティカルサスペンス&ラブロマンス『北極星』は、チョン・ジヒョンとカン・ドンウォンの共演だけでも豪華だが、脇を固める俳優たちの顔ぶれも大変充実している。その豪華キャスト陣から、ベテラン俳優たちを中心に紹介していく。(以下、一部ネタバレを含みます)
■チョン・ジヒョン&カン・ドンウォン主演『北極星』の豪華すぎる脇役陣たち!
■主人公ムンジュの義母役、イ・ミスク(1960年生まれ)
第3話で急接近したソ・ムンジュ役のチョン・ジヒョンと義母イム・オクソン役のイ・ミスクが対峙している映像は、韓国映画を40年近く観ている筆者にとって「壮観」のひとことだ。
2001年、『友へ チング』に次いで第2位の観客動員を達成した映画『猟奇的な彼女』でスターダムにのぼり、今では大物感たっぷりのチョン・ジヒョンだが、1980年代の “猟奇的な彼女” といえば、名作『桑の葉』で奔放過ぎる女性を演じたイ・ミスクだろう。
『情事 an affair』ではイ・ジョンジェの年上の恋人役、本人を演じた『女優たち』ではユン・ヨジョン、コ・ヒョンジョン、チェ・ジウ、キム・ミニらを相手に地としか思えない豪放磊落ぶりを発揮。
そして、大ヒットドラマ『涙の女王』では財閥会長の愛人に扮し、その毒婦ぶりで視聴者を震えあがらせた。こうした演技経験を経て60代半ばに達した今、その風格は女帝そのもの。息子役のパク・ヘジュンとは実年齢で16歳しか違わないのに、母親役が堂に入っている。
■主人公ムンジュの義弟役、オ・ジョンセ(1977年生まれ)
コミカルなキャラクターを演じることが多かったオ・ジョンセだが、1600万人以上を動員した映画『エクスリーム・ジョブ』で悪役を演じた頃から役柄の幅が拡大。『椿の花咲く頃』では弁護士の妻に頭が上がらないダメ男、『サイコだけど大丈夫』では自閉スペクトラム症をもつ繊細な青年、『ソウル・バイブス』では検事役。そして『北極星』では、国会議員の兄(パク・ヘジュン)に歪んだコンプレックスを抱く検事を演じている。
オ・ジョンセが北朝鮮がらみの作品に出るのはこれが初めてではない。1990年代に実現した卓球南北統一チームを題材とした映画『ハナ 奇跡の46日間』(ハ・ジウォン&ペ・ドゥナ主演)では南側選手に扮している。仲間の選手が北側の国家主席と同名で、北側選手に聞こえよがしに呼び捨てにしたことで緊張感が走るというハラハラするシーンだった。ちなみに、このとき怒りを爆発させる北側選手を演じたのは『瑞草洞<ソチョドン>』や『ビッグマウス』のイ・ジョンソクだ。


