■女性大統領役、キム・ヘスク(1955年生まれ)
70歳に手が届くベテラン俳優がついに大統領を演じることになり、大変感慨深い。国家の女性リーダーは現実にも存在するが、『北極星』でキム・ヘスク扮するチェ・ギョンシン大統領はその誰よりも風格と凄みを感じさせる。
デビューはイ・ジェフン主演でリメイクされた『捜査班長 1958』の原型ドラマ『捜査班長』(1974)。長い下積みの末、チェ・ミンシクとハン・ソッキュ主演ドラマ『ソウルの月』(1994)の下町の若奥さん役で頭角を現し、2000年代にはユン・ソクホ監督の『秋の童話』『冬のソナタ』『夏の香り』『春のワルツ』出演で人気を得る。なかでも、チェ・ジウ扮するユジンの母親を演じた『冬のソナタ』は日本での知名度を決定づけた作品だ。その後の活躍は言うまでもないだろう。
■国家情報院院長役、ユ・ジェミョン(1973年生まれ)
『劇映画 孤独のグルメ』で、韓国に漂流した井之頭五郎(松重豊)を取り調べに来たが、五郎がごはんを食べ終えるのを待ってやる人間味のある出入国管理官役で初めて彼を認識した人もいるかもしれない。監督の松重がお気に入りの俳優だったことから実現したキャスティングだ。
『北極星』では少ない言葉と淡々とした表情で凄みを感じさせるユ・ウナク国家情報院院長に扮している。老成の魅力があるが、まだ50代前半である。
長らく故郷釜山での演劇活動にこだわってきた人で、ドラマ『ミセンー未生―』や映画『ベテラン』などにも脇役で出ているが、出世作といえるのはなんといっても『梨泰院クラス』だろう。本作では主人公セロイ(パク・ソジュン)の宿敵チャン・デヒに扮した。
日本で公開中の映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』では、のちの大統領チョン・ドゥファン(全斗煥)を演じている。
●配信情報
『北極星』ディズニープラス スターにて独占配信中
[2025年/全9話]監督:キム・ヒウォン『涙の女王』『愛の不時着』(ともに共同演出)、『サウンドトラック #1、#2』 ホ・ミョンヘン『犯罪都市 PUNISHMENT』(映画)、『キングダム』シリーズ(武術監督)『神と共に』シリーズ(映画/武術監督) 脚本:チョン・ソギョン『シスターズ』『別れる決心』
出演:チョン・ジヒョン『青い海の伝説』『星から来たあなた』『猟奇的な彼女』(映画 )、カン・ドンウォン『ベイビー・ブローカー』『新感染半島 ファイナル・ステージ』(映画)、『1%の奇跡』、パク・ヘジュン『おつかれさま』『夫婦の世界』、ジョン・チョー、イ・ミスク『涙の女王』、キム・ヘスク『シュルプ』、ユ・ジェミョン『梨泰院クラス』、オ・ジョンセ『グッドボーイ』、チュ・ジョンヒョク『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
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