そして、『濁流』の終盤は、地図を守り抜く大護軍、チョン、ロウン、ウンと悪徳官僚たちとの対決姿勢が鮮明になっていった。その中で繰り広げられる殺陣シーンには度肝を抜かれた。それほど迫力満点だった。
しかし、本筋はそこではない。朝鮮王朝の行く末を憂慮する大護軍の大義を実現するために、協力者たちが命をかけて悪徳官僚とその手下たちと壮絶に対抗していった。そこに醍醐味があった。
それにしても、終盤の展開が本当に見事だ。その中でシユルの存在感が抜群だった。寡黙で表情を変えず何を考えているかわからない……しかし、ここぞという場面で孤高の精神性を存分に発揮していた。
全9話がすべて公開された『濁流』。シーズン2を予告させる終わり方だった。ロウンが演じるシユルは強烈な印象の主人公なので、ぜひシリーズ化してほしい。ロウンにとっても最高のハマリ役になるだろう。
●配信情報
『濁流』ディズニープラス スターにて独占配信中
[2025年/全9話]演出:チュ・チャンミン『王になった男』『拝啓、愛しています』『大統領暗殺裁判 16日間の真実』(すべて映画) 脚本:チョン・ソンイル『今、私たちの学校は…』『推奴~チュノ~』
出演:ロウン『この恋は不可抗力』『明日』『恋慕』、シン・イェウン『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』『ジョンニョン:スター誕生』、パク・ソハム『セマンティックエラー』『2度目のファースト・ラブ』、パク・ジファン『ソウル・バスターズ』『私たちのブルース』