『1987、ある闘いの真実』『ハイパーナイフ』など、映画やドラマで幅広い活躍を続ける名優ソル・ギョング主演の映画『グッドニュース』がNetflixで独占配信中だ。
本作は、1970年に実際に起こった「よど号ハイジャック事件」をモチーフにし、ソル・ギョング演じる韓国政府の謎のフィクサーと、若手俳優ホン・ギョンが扮するエリート管制官が事件解決に奔走するブラックコメディ・サスペンスである。(以下、一部ネタバレを含みます)
■Netflix配信ブラックコメディ・サスペンス映画『グッドニュース』見どころ紹介
大阪での万国博覧会開催を控える1970年3月。乗客・乗員130名を乗せて羽田空港から福岡へと向かう国内旅客機「はる号」内で、反政府共産組織・赤軍派9名によるハイジャック事件が起きる。
彼らの目的は、北朝鮮への亡命だ。ハイジャック犯のリーダー(笠松将)とメンバー(山本奈衣瑠)は、コックピットに乱入し、機長(椎名桔平)に平壌(ピョンヤン)へ向かうよう命ずる。石田運輸政務次官(山田孝之)を中心とした日本政府の対応は、ハイジャックメンバーの怒りを増長していた。
一方、米国CIAから情報を得た韓国中央情報部の部長パク・サンヒョン(リュ・スンボム/『ムービング』)は、この問題を解決し日本へ恩義を売ろうと、フィクサーでアムゲ(「某氏」の意)と呼ばれる謎の男(ソル・ギョング/『キル・ボクスン』『ペパーミント・キャンディー』)に、その任務を一任する。
アムゲは、エリート空軍中尉で管制官のソ・ゴミョン(ホン・ギョン/『君の声を聴かせて』『悪鬼』『弱いヒーロー Class1』)に「はる号」との通信を命じ、なんとか「はる号」を平壌空港に偽装した金浦(キンポ)空港に着陸させることに成功する。しかし、ハイジャック犯はこの偽装に気づいてしまい……。
緊迫する場面が続く中、ゴミョンの妄想シーンや、緊急周波数を巡ってのゴミョンと北朝鮮の管制官(パク・ヘス)との競い合いなどが、大変ユーモラスに描かれており、思わず吹き出してしまう。不遇の父に代わって、名誉と地位を得たいと願うゴミョンが、次第に人命救助への使命感に駆られ、ハイジャック犯と直接交渉をするシーンは涙を誘う。
ソル・ギョングやゴミョン役のホン・ギョンなど、韓国俳優陣が日本語のセリフを交えて演じているが、なかでも副機長役のキム・ソンオ(『パイン ならず者たち』)が話す流暢な日本語には驚いた。
ファーストレディ役のチョン・ドヨン、ゴミョンの父親役のパク・ジファン、映画監督役のユン・ギョンホなど、豪華なバイプレイヤーたちの登場にも注目してほしい。そして、フランクシナトラが歌う「Blue Moon」が、本作のエンディング曲にピッタリはまっている。
演出は、本作でソル・ギョングと4度目のタッグを組んだピョン・ソンヒョン(『キングメーカー 大統領を作った男』『キル・ボクスン』)、脚本はピョン・ソンヒョンとイ・ジンソンの共作である。
●配信情報
Netflix映画『グッドニュース』独占配信中
[2025年/韓国/136分]監督:ピョン・ソンヒョン 脚本:ピョン・ソンヒョン、イ・ジンソン
出演:ソル・ギョング、ホン・ギョン、リュ・スンボム、山田孝之、椎名桔平、キム・ソンオ、笠松将、山本奈衣瑠