――クライマックスは南の外島(ウェド)でしたが、そこを最後の舞台に選んだ理由は?

「それ以前に外島には行ったことがありませんでした。でも、話には聞いていましたし、何かの雑誌で外島の写真を見たこともあります。最後のシーンをどこで撮るか、というミーティングの中で、いろんな意見の中から外島も候補にあがりました。私自身は確信を持てなかったのですが、評判の良さでそこに決めました。撮影のときは天気がとても良くて、想像していたよりずっと良いところでした」

――日本でこれほどヒットした要因をどう分析しますか。

「愛の純粋性がたくさん織り込まれたドラマだったことが人気に結びついたのかもしれません。私は、いたずらに流行を追うのではなく、愛の純粋性を細かく描いたつもりです。それはどの国でも受け入れられるのではないでしょうか。結局、愛の原点はどこでも変わらないのです。今は時代が忙しくなりすぎて、純粋な愛が見えにくくなっています。だからこそ、ドラマの世界では愛の素晴らしさを描く必要があるのでは……。その結果として社会に少しでもいい影響を及ぼすことができれば嬉しいですね」

 以上のように、最高傑作が生まれた背景が名監督の言葉によって、抒情的によく伝わってきた。

●作品情報

『冬のソナタ』

[2002年]演出:ユン・ソクホ 脚本:キム・ウニ、ユン・ウンギョン

出演:ペ・ヨンジュン、チェ・ジウ、パク・ヨンハ、パク・ソルミ