Netflix配信ドラマ『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』は冷徹かつ優美な復讐劇である。とはいえ、単なる勧善懲悪の物語ではない。このドラマは、魂を殺された1人の女性が、人生のすべてを賭けて織り上げた、美しくも悲しく壮大な叙事詩なのである。(以下、一部ネタバレを含みます)

■『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』用意周到な復讐の末に果たして何が待っているのか

 主演のソン・ヘギョが演じるムン・ドンウンは、高校時代、凄惨な暴力と精神的虐待の犠牲者だった。その後の彼女が歩んできた18年という歳月は、まさに、加害者たちを地獄の底へと引きずり込むための刃を研ぐ時間であった。

 ドンウンがその刃を向けるのは、かつて彼女の尊厳を土足で踏みにじった5人の悪魔たちだ。大人になった今でも、腐敗した本性を隠そうともせず、むしろ社会的な地位や富を得て我が世の春を謳歌している。その傲慢さは年輪を重ねるごとに肥大化し、反省のかけらもない。

 その中心にいるのは、イム・ジヨンが演じるパク・ヨンジンである。かつてのいじめの首謀者。今は気象キャスターとしてテレビで笑顔を振りまいている。建設会社の社長(チョン・ソンイル)を夫に持ち、豪奢なマンションで何不自由ない生活を送る彼女の姿は、ドンウンが味わってきた地獄とはあまりにも対照的だ。

 このヨンジンという巨大な虚像をいかにして崩壊させるか。それがドンウンの最大の目標であり、この物語の核心を成している。

 ドンウンの計画は、緻密でありながら執念に満ちている。彼女は、ヨンジンの最愛の娘が通う小学校の担任教師という地位を手に入れるのだ。こうして生じた心理的な圧迫感と駆け引きの妙こそが、『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』をさらに面白くしている。

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 さらに、この復讐劇を複雑にしているのが、チョン・ジェジュン(パク・ソンフン)の存在だ。ゴルフ場のオーナーとなった彼は、ヨンジンの高校時代からの仲間でありながら、彼女との間に秘密を共有している。

 それは、ヨンジンの娘に関する出自の疑惑である。娘が生まれる前、ジェジュンとヨンジンは道ならぬ関係にあった。その結果として生まれた命ではないかという疑念が、鉄壁に見えた加害者たちの結束に亀裂を生じさせていく。

 ドンウンはそこを見逃さない。ジェジュンの抱く執着と疑心を利用し、加害者たちの内部からの崩壊を誘発しようと画策する。

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