Netflix新作映画『パヴァーヌ』は、『シュルプ』『愛する盗賊様よ』で注目の新進俳優ムン・サンミン、演技派俳優『ケナは韓国が嫌いで』のコ・アソン、『サムシクおじさん』『茲山魚譜-チャサンオボ-』のピョン・ヨハンが扮する個性的なキャラクターが魅力だが、脇役の繊細な演技や物語の背景になるセットやソウルの街並みも見応えがある。(以下、一部ネタバレを含みます)

■Netflix注目映画『パブァーヌ』コ・アソン、ムン・サンミン、ビョン・ヨハンが演じる個性的なキャラクター

『パヴァーヌ』はソウルのデパートで出会ったミジョン(コ・アソン)、ギョンロク(ムン・サンミン)、ヨハン(ピョン・ヨハン)、三人の物語だ。

 三者三様、育ってきた環境から心に闇を抱えている。

「雨と向き合うほうが、人と向き合うよりラクです」

 そんな言葉を漏らすミジョンは子供の頃のいじめが原因で他人に対して心を開かない。

「ミジョンさんは何もわるいことしていないのに、なぜうつむいてばかりなの? 顔を上げて胸を張ろうよ」

 そうミジョンを励ますギョンロクだが、自身は身勝手な父親に妻扱いされない母親の姿を見て育っている。

 ヨハンはなかなか距離を詰めないミジョンとギョンロクの背中を押す立場だが、自身の出自もなかなか複雑だ。デパート会長の愛人の息子という噂もあり、母親らしき人から日本語で話しかけられ、返事は韓国語、どうやら中国語も話すようだ。

Netflix映画『パヴァーヌ』独占配信中

 

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■庶民的な飲食店、ロケ地ソウルのしっとりとした街並みも魅力

 この映画は三人の心象風景を表すセットがとても丁寧に作られている。また、撮影場所も三人に似つかわしい場所が選ばれている。

 ギョンロクの母親(イ・ボンリョン)が切り盛りする食堂も、三人が出入りする庶民的なHOF(ホプ=大衆的なビアホール)も、どこか薄暗く1980年代風だ。

 とくにHOFは鯉が泳ぐ水槽が郷愁を誘う。店の壁には偉人たちの写真に混じって主人(シン・ジョングン)の写真が貼ってあるのも曰くありげ。三人の話を聴くとはなしに聴いている彼の佇まいもよい。

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