ディズニープラス配信の話題作『21世紀の大君夫人』は、巨大財閥の次女ソン・ヒジュ(IU)と王族のイ・アン大君(ビョン・ウソク)が世紀の契約結婚を結んでいくプロセスを描いている。まさに、最高のロマンチック・コメディとなっている。(以下、一部ネタバレを含みます)

■『21世紀の大君夫人』大妃がイ・アン大君を極端に警戒している理由、朝鮮王朝の首陽大君とは?

『21世紀の大君夫人』の序盤、ビョン・ウソクが演じるイ・アン大君が「21世紀の首陽(スヤン)大君」と呼ばれている、という描写があった。

 なるほど、と納得できた。イ・アン大君の置かれていた立場が、15世紀の首陽大君を彷彿させるのは必然的なことだった。

 そこで、首陽大君について詳しく見てみよう。

 首陽大君は、朝鮮王朝最高の名君と称された4代王・世宗(セジョン)の次男として1417年に生まれた。首陽大君の兄で世宗の長男だった世子(セジャ)は病弱だったが、1450年に即位して5代王の文宗(ムンジョン)になった。

 しかし、わずか2年3か月の在位で亡くなった。すぐに、文宗の長男が1452年に即位して6代王の端宗(タンジョン)となった。まだ11歳。文宗は亡くなるまで端宗のことを心配していて、しっかり守ってくれるように側近たちに頼んでいた。

 その側近たちが警戒したのが首陽大君で、野心家の彼は幼い王を補佐するという名目で横暴にふるまった。

 ついに、陰謀を捏造して、端宗の側近たちを次々に殺害。最大の実力者になった首陽大君は、端宗に対しても強圧的な態度を取り続けた。結果的に、端宗は叔父の首陽大君に脅されて王位を譲らざるをえなくなった。こうして首陽大君は1455年に7代王の世祖(セジョ)として即位した。

 その後、端宗を流刑にしたうえで死罪に処した。聖君と称された世宗の次男が、これほどの非道を繰り返したのである。

 こうした歴史上の出来事を知らない韓国の人はいない。いわば、首陽大君は甥から王座を奪った強奪者と思われているのだ。

 一方の『21世紀の大君夫人』のイ・アン大君。彼は幼い国王を摂政する立場になった。野心家であれば、甥から王位を奪うことも可能なのである。

 そのことを一番警戒しているのが、幼い国王の母となっている大妃(テビ/演者コン・スンヨン)である。

『21世紀の大君夫人』ディズニープラス スターにて独占配信中 (C) 2026. MBC. All Rights reserved.