ディズニープラス配信の話題作『21世紀の大君夫人』。物語序盤では、財閥令嬢のソン・ヒジュ(IU)と王族のイ・アン大君(ビョン・ウソク)が契約結婚に向かう過程がスリリングに描かれている。2人は果たして、厚い壁を打ち破って本当のラブロマンスにたどりつけるだろうか。(以下、一部ネタバレを含みます)

■『21世紀の大君夫人』幼い王の実母、大妃はなぜイ・アン大君の動向に神経を尖らせているのか

 現代の韓国にもしも王朝がそのまま残っていたらどうなるか。『21世紀の大君夫人』は仮想現実の世界で起こる王室の様子を描写している。そこで、ドラマが設定している王室そのものについて見ていこう。

 ドラマの公式サイトによると、幼いイ・ユン(キム・ウンホ)は2022年に即位して33代王となっているが、かつての朝鮮王朝時代において君主のあり方は根本的に異なっていた。

 朝鮮王朝の国王は、強固な中央集権体制の頂点に君臨する絶対的な存在だった。国家のあらゆる権限を一身に集め、政治を動かす最高権力者として絶大な力を行使していたのだ。

 しかし、ドラマで描かれる現代の韓国では国家体制が大きく姿を変えている。具体的に言うと、王室の伝統を残しつつも民主的な法治を行う「立憲君主制」になっており、実際の国政を運営しているのは国王ではない。政治家名門一族のエリート、ミン・ジョンウ(ノ・サンヒョン)が、国務総理として国家の舵取りを取り仕切っている。

 そのために、国王はあくまでも国家の歴史と国民統合を示す「象徴」としての尊い立場に位置づけられている。

『21世紀の大君夫人』ディズニープラス スターにて独占配信中 (C) 2026. MBC. All Rights reserved.

 イ・アン大君の父親は31代王のイ・ギョクであるが、2012年にこの世を去っている。その後を継いで長男のイ・ファン(ソンジュン)が32代王として即位したが、2022年に火災によって命を落としてしまった。その結果、亡きイ・ファンの長男であるイ・ユンが、33代王として玉座に就くことになったのである。

 しかし、新王のイ・ユンはあまりにも幼すぎた。そこで、先王イ・ファンの弟にあたるイ・アン大君が摂政として実質的に王室を仕切る体制が敷かれた。イ・アン大君は“最も愛される王族”として、国民の人気を集めている。

 この「大君(テグン)」という称号は、王朝のしきたりにおいて、国王の正室から生まれた嫡出の息子を意味している。もし国王の側室が息子を産んだ場合は、単に「君(クン)」と呼ばれる。同じ国王の血を引く男子であっても、「大君」と「君」とでは身分や意味合いに差があるのだ。

『21世紀の大君夫人』ディズニープラス スターにて独占配信中 (C) 2026. MBC. All Rights reserved.