傑作として名高い韓国ドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』。その脚本を手掛けたのがパク・ヘヨン脚本家だ。彼女の最新作となるNetflix配信作『誰だって無価値な自分と闘っている』が、いま話題を集めているが、その1つ前に世に送り出されたドラマが、今回取り上げる『私の解放日誌』である。(以下、一部ネタバレを含みます)

■名作『私の解放日誌』正体不明の男の存在がドラマを予想もつかない未知の展開に持ち込んでいく

『私の解放日誌』の物語の軸となるのは、ソウルから離れた郊外エリアに暮らす3人のきょうだいだ。

 1番上の長女ヨム・ギジョン(イエル)は、リサーチ会社の業務に就いている。2番目の長男ヨム・チャンヒ(イ・ミンギ)は、コンビニエンスストアを管理・統括する本社部門の社員である。

 そして3番目の次女ヨム・ミジョン(キム・ジウォン)は、デザイン関連の職場で働いている。しかし、彼女は職場で上司から厳しいダメ出しを繰り返される毎日を送っていた。

 3人を何よりも苦しめているのは、自宅から都心の職場までの途方もない距離である。毎日の過酷な通勤だけで、心身のエネルギーは大きくすり減ってしまう。

 さらに家庭内の空気も明るくはない。両親は農業と町工場を営んでおり、朝から晩まで寡黙に働いている。親子の間に温かい会話はなく、親は子供たちに対して心を閉ざしているように見える。

 このような中で、きょうだいたちは人生の充実感を見出せない。その口からは、常に鬱屈とした現状への不満や愚痴ばかりがこぼれ落ちていた。

 そんな退屈な日常に、突如としてさざ波を起こす人物が現れる。それが、実力派俳優のソン・ソックが演じる「ク氏」と呼ばれる男である。

 彼はヨム家の実家の離れに住み込み、無言のまま農作業や工場の力仕事を手伝っている。しかし、日が暮れれば毎日浴びるように焼酎を飲んでばかりいるのだ。

 一体どこから流れてきたのか。過去にどんな人生を歩んできたのか。彼の正体は誰にもわからず、完全に厚いベールに包まれていた。

 周囲が彼を遠巻きにする中、末っ子のミジョンだけは、このミステリアスな男に強い興味を抱き始める。

Netflix『私の解放日誌』独占配信中