ドラマ『二十五、二十一』『ジョンニョン: スター誕生』、映画『リトル・フォレスト 春夏秋冬』『1987、ある闘いの真実』などで、日本でも知名度の高い俳優キム・テリの初レギュラーバラエティ放課後テリ先生』がU-NEXTで配信スタートした。本作は、キム・テリが新米教師として、『二十五、二十一』共演俳優のチェ・ヒョヌクや、歌手KangNamとともに田舎町の小学校を訪れ、放課後、生徒たちに演劇を教えるヒューマンリアリティだ。

■キム・テリ出演『放課後テリ先生』自己紹介で物おじしない小学生たち、韓国人は発表慣れしている!?

 本作第1話では、キム・テリらが慶尚北道聞慶市の龍興小学校を訪ね、校長とミーティングしたあと、演劇を習う生徒7名の自己紹介があった。視聴した日本の友人が興味をもったのは、子供たちがまったくが物怖じしないことだそうだ。

「明らかに恥ずかしがり屋の男の子を除く6人の生徒が、子供らしさは残しつつも堂々と明快に話していたので驚きました」(友人談)

 調和を重視する日本では、目立つことをあまりよしとしないと聞く。子供の頃から人に迷惑をかけない生き方を教わるのだと。その点、韓国はちょっと違うかもしれない。

 いま50代の筆者が子供の頃は、「子供をあまりうるさく躾けると、人間が小さくなってしまう」とよくいわれたものだ。韓国も国際化や多文化共生が叫ばれるようになって久しいので、今でこそ公共マナーは浸透してきたが、2000年頃までは電車のなかで騒ぐ子供が日本の旅行者には目に余ることが多かったのではないだろうか。

 韓国では周囲に遠慮し過ぎず、自分の考えをはっきり伝えることを重視するので、学校でも生徒に何かを発表させる機会は多い。また、学校外でも「雄弁学院」とか「スピーチ学院」と呼ばれる塾に子供を通わせる親も少なくない。

 チョン・ドヨンカンヌ国際映画祭で主演女優賞を獲った映画『シークレット・サンシャイン』では、チョン・ドヨン扮するシネの息子がこうした学院で明るくはきはきと発表を行い、参観していたシネが歓喜するシーンがあったのを覚えている人もいるだろう。

 また、韓国では教会や聖堂に家族で通う人が多い。映画やドラマにもよく出てくるが、こうした宗教活動では信者が歌や演劇、スピーチなどのパフォーマンスをよく行っている。それが楽しみで通っている人も少なくない。教会や聖堂が自己表現トレーニングの場として機能している面もあるだろう。

全羅南道の離島、蓋島(ケド)で見かけた小学校校舎。キム・テリが派遣された龍興(ヨンフン)小学校の校舎もこのような低層階だった
龍興小学校のある聞慶(ムンギョン)市は『都会の部長 田舎へ行く』や『涙の女王』の撮影地でもある。写真は聞慶名物、五味子(オミジャ)のトンネル