日本公開中の韓国映画『ファーストライド』は、いろいろな意味で「!」(驚き)の多い青春映画だ。高校時代の仲良し4人組が果たせなかった卒業旅行を、10年越しに実現させる物語。渡航先のタイではさまざまなトラブルが彼らを襲い、緩急の妙など完全無視のハイボリューム、ハイテンションの場面が続く。

■映画『ファーストライド』見どころは?カン・ハヌル、キム・ヨングァン、チャウヌら豪華キャスト、脇役ハン・ソナやユン・ギョンホも好演

 この映画の最初の「!」は、キャスティングだ。

 4人組のリーダー格で血の気の多いテジョンには、『隠し味にはロマンス』『椿の花咲く頃』『イカゲーム』のカン・ハヌル。

 明るさだけが取り柄のドジンには、『ハートにチャージして』『愛だと言って』のキム・ヨングァン。

 抜きん出たオルチャンぶりが鮮烈なヨンミンには、『女神降臨』『ワンダーフールズ』のチャウヌ(ASTRO)。

 涼しげな法衣姿が『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』のパク・ヘジュンを彷彿とさせるグムボクには、『サムダルリへようこそ』『ニュートピア』のカン・ヨンソクが扮している。

 そして、テジョン(カン・ハヌル)恋しさのあまり4人の旅を引っ掻き回すオクシムに、『スキャンダル』『誰だって無価値な自分と闘っている』『PILOT -人生のリフライト-』のハン・ソナ。

 タイで4人の尻拭いをする大使館員に『エージェント・キム』『世界で最後の愛しい娘!』のユン・ギョンホ。タイのビーチバーの妖しいママに知英(KARA)など、脇を固める俳優も個性派揃いだ。

映画『ファーストライド』(C) 2025 SHOWBOX, BRAINSHOWER AND TH STORY ALL RIGHTS RESERVED.

■青春映画の名作『ファンダンゴ』を思わせる弾けっぷり

 二つ目の「!」は、その突き抜けたドタバタ描写だ。 洒落たコメディを作ろうなどとは微塵も思っていなさそうな、主要人物のくどいほどのアップ、絶叫、ベタなギャグの連続は、あきれを通り越して爽快ですらある。

 韓国映画は一応の民主化を成し遂げた1990年代に、当時のスター俳優パク・チュンフンを主役としたドタバタ喜劇が数多く作られたが、『ファーストライド』の野放図さはそれらを超越している。

 本作に匹敵する登場人物の弾けっぷりが見られる青春映画は、ケビン・コスナー主演の名作『ファンダンゴ』くらいだろう。また、終盤のあるシーンでは、トム・ハンクス主演の『ターミナル』を思い出す人も多そうだ。