医師不足に悩む大学病院に、一流の腕をもつフリーランスの外科医がやってきた。日本の人気ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』の韓国リメイク版、『ドクターX~白衣のマフィア~』がNetflixで配信中だ。
本作は日本版を原作としながらも、医師不足や歴史的事件など、韓国が抱える社会問題を取り入れた独自の切り口で描かれている。
主人公で一匹狼の医師、ケ・スジョンを演じるのは『涙の女王』『私の解放日誌』のキム・ジウォンである。(以下、一部ネタバレを含みます。)
■Netflix『ドクターX~白衣のマフィア~』病院を牛耳る権力集団vs一匹狼の闘いを描く話題作
韓国では医師不足への対策として、政府が大学医学部の入学定員拡大を打ち出した。しかし、医師たちは医療政策や労働環境などをめぐって政府と対立。2024年には研修医らが集団で職場を離脱し、医療現場に大きな混乱をもたらした。
当時は医師たちのストライキにより十分な医療サービスを受けることができない患者が続出し、医療現場の機能不全が起こっていた。
こうした医療界の対立を背景に、本作では腐敗するエリート医師たちの集まり「木蓮会」が、患者よりも金と権力を優先し、医師を守ることを最優先に考える組織として描かれている。
物語の舞台は、木蓮会に所属する医師が多く在籍するグソ大学ソナム病院だ。そんなグソ大学病院に、群れに属さず、権力を嫌う一匹狼の医師ケ・スジョン(キム・ジウォン)がアルバイトとして派遣される。
紛争地域の医師団で活動した豊富な経験と卓越した技術をもち、患者を最優先に考えるスジョン。彼女の腕を高く評価する医師紹介所のチャン・ヒスク所長(イ・ジョンウン)は、稼ぎ頭であるスジョンをグソ病院に送り込んだのだ。
着任初日からスジョンは、長らく手術の現場から離れていたキム院長(キム・ジョング)の手術方法を否定し、周囲の反感を買う。しかし、手術中に倒れたキム院長に代わり、見事に患者の命を救う。
この一件で、新院長となったプ・スングォン(ソン・ヒョンジュ)は、スジョンの腕と判断力を高く評価する。しかし、その裏では問題が起きた際、スジョンに責任を転嫁することを考えていた。
金や権力をもつ患者ばかりを重視する木蓮会の医師たちとは対照的に、患者を救うことだけを考えるスジョン。麻酔科医のチョ・ウォンジン(イ・ジニ)、救命救急医のキム・ソンジン(ホ・ジュンソク)、そしてインターンのパク・テギョン(キム・ウソク)と、次第にスジョンの理解者も増えていく。
医師や医師会の不正を暴くエピソードが続く本作だが、特に印象に残るのが、光州事件でのヘリコプター銃撃の被害者を描いた物語だ。