WORLD WIDE GANG REPORT

VOL.5 アーリアン・ブラザーフッド(Aryan Brotherhood)

 現在のアメリカで最悪のギャング、といえばストリートギャングやイタリアンマフィア、バイカーギャングなどが思い浮かぶかもしれない。しかし、最悪のギャングは刑務所の中にいる。日本よりも自由度の高いアメリカの刑務所内では、受刑者たちがグループに別れて抗争を繰り広げている。その中で、確固たる存在感をもっているのが白人系でネオナチのグループ、アーリアン・ブラザーフッド(Aryan Brotherhood)、通称“AB”だ。

 刑務所の内外に推定1万5000人から2万人のメンバーがいるとされ、「米国でもっとも古く、最も悪名高い人種差別主義者のプリズンギャング」と呼ばれる。麻薬密売、恐喝、受刑者の売春、請負殺人、などの組織犯罪を行なっている。

 組織は刑務所ごとに違うが、一般的にピラミッド型で3人のリーダーが頂点に立ち、その下に12人の幹部がいて組織を統率している。

■メンバー加入の条件は「他組織の囚人を殺すこと」!

 

 体に彫るタトゥーには、アイルランド系であることを意味する三つ葉のクローバー、ナチスのハーケンクロイツ、イニシャルの「AB」、ナチス親衛隊のシンボル「SS」、肘の近くに蜘蛛の巣、ケルトの紋章などを使用する。

 思想的には白人至上主義だが、金銭的な利益を優先するため、ラテンアメリカ系のギャングと同盟を結ぶなど、柔軟な姿勢を見せることもある。

 組織には「ブラッドイン・ブラッドアウト」という掟があり、メンバーとして認められるためには対立組織の囚人を殺害することが条件。一度メンバーになると抜けることが許されず、抜けようとすると他のメンバーに殺害される。