■生き霊の「意味」がわかった瞬間
シークエンスはやともさんが初めて霊を見たのは小学生の時だったが(後編で詳述)、人に執り憑く生き霊の存在と、その「意味」がわかったのは、彼女ができた大学生の時だったという。
「最初は彼女ができて『やったあ!』と思っていたんですが、僕の友達と彼女が隠れてつき合っているのがわかったんです。お互いにぴゅーんと生き霊を飛ばして、それがべちゃっとくっついていた。肉体関係がないと、このつき方はないなと……。
一応、彼女に『あいつとやったよね』と聞いたら、すげえ勢いで逆ギレされて、あ、正解なんだなと別れました」
生き霊でわかる彼女の浮気……便利なような切ないようなエピソードだ。
こうして生き霊の“有り様”を理解したはやともさん。その後の生き霊に悪戦苦闘した話や”生き霊太り“にまつわる話は最新刊『憑いてる人は瘦せません』に譲ろう。
その代わりに、前編の最後は“霊視芸人”として知られる最初のきっかけ、シークエンスはやともさんが初めて霊に遭遇した、衝撃的な体験をご紹介しよう。
■霊と初遭遇は包丁の刺さった…
はやともさんが生まれて初めて幽霊を視たのは小学3年生の時。
「殺人事件がきっかけだったんですよ」
はやともさんが住んでいた地域は治安が良くなく、夜中に路上の怒鳴り声で起こされることも一度や二度ではなかった。
「2時過ぎぐらいに外から『おらあああ!』 と叫び声がして、ベランダに出たら向かいのマンションから頭に包丁が刺さったスキンヘッドの男が出てきたんです。
さらに、その後ろから怖いおっさんが追いかけていて、スキンヘッド男の頭の包丁を抜くと腹とか胸に何度も刺しては引っこ抜いて──」
なんだそりゃ?
「警察も来て、母親も起きてきて、あなたは寝なさいと。何も見てないからね、と。それで翌朝ですよ、目が覚めて起き上がったら、ここに──」
と言いながら、はやともさんが自分の左肩を指差した。
「頭に包丁の刺さったスキンヘッドのおじさんの顔があったんです」
初遭遇した幽霊は包丁が頭にぶっ刺さったおっさんで、それが自分の肩に首を載せ、体はそのまま地面に股の下ぐらいから埋まっている。しかも幽霊としてフレッシュ、数時間前にできたばっか……情報を詰め込み過ぎて混線している。
小学3年生、9歳のはやとも少年はパニックにならなかったの? しかも、この先には、話を聞いているこちらはもちろん、はやともさん自身も仰天するような展開が待っていたのだ──。
【気になる後編は明日11月3日18時公開予定。乞うご期待!】