■夜の廊下で美少女と遭遇し…
はやともさんの小学校の近くに建っていたマンションのベランダには、上階からありえない格好で小学生の登下校をじっと見る母親らしい幽霊がいたり、近所の河原で鎖鎌を振り回すホームレスの幽霊に追いかけられたり、落ち着かない学生時代だ。
「あれは高校の文化祭の時でした。準備で遅くなって、20時回ったぐらいに図書室に借りてた資料を戻しに行こうとしたら、廊下に見たことのない制服の子が立っていたんです」
しかも、メッチャかわいかったらしい。
「図書室は2階だったんですが、僕に気づくと、彼女はニコッと笑って階段上がっていくんです。僕が上がると彼女も階段を上がる。『これって僕に気があるんじゃ……』と思うじゃないですか? それで2階なんて素通りして、気づけば屋上まで上がっていたんです」
■屋上で背後から“ドンッ!”と─
屋上のドアはなぜか開いていた。「あの子がカギを持っていたのか?」と思いながら、屋上に出るとなぜか彼女の姿はなかった。「あれ?どこいったのかぁ」と思いながら、夜の屋上でテンションも上がり、手すりから身を乗り出して、お~い! と叫んだら、後ろから“ドンッ!”と強い力で押された。
「振り返ったら誰もいないんですよ。これ、ヤバいと思って階段につながるドアを開けようとしたら、さっきは開いていたはずのドアに鍵がかかっているんです」
ことの異様さに、屋上から大声で教師の名前を叫んで助けを求め、なんとか聞きつけた教師が助けに来てくれたという。
「めちゃくちゃ怒られました。ただ先生は『どうやって入ったんだ?』としきりに首を傾げてました。そもそも、内側からも外側からも鍵がないとドアが開かない造りで、絶対に入れないはずなんですよ」
後に、その美少女の制服が昔の高校の制服だったことまではわかったが、過去の卒業アルバムをいくら探してもそんな美少女はおらず、鍵の謎も解けないままだという。