■ルーズベルトは呪殺された⁉
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第妻エレノアとルーズベルト。壮年期から車イス生活を余儀なくされたハンデをものともせず活躍したところも人気の高さのひとつ。
画像:FDR Presidential Library & Museum, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons
2025年1月20日にドナルド・トランプ米大統領が就任。2期目ということで「トランプ2.0」なる言葉も生まれている。
熱狂的な人気と批判で国を二分するトランプ新大統領だが、アメリカの歴代大統領の人気ランキングで必ず上位に登場するのが、リンカーン、初代大統領のワシントン、そして第二次世界大戦を戦った第32代フランクリン・D・ルーズベルトだ。
ルーズベルトについては、「日本軍の真珠湾攻撃を知っていた」「実はスターリン率いるソ連の協力者だった」などの陰謀論とも縁は深いが……、ここでは多くは語らない。
ともかく、太平洋戦線では日本軍を追い詰めていた大統領だったが、勝利目前の1945年4月12日に急死する。死因は高血圧による脳卒中と米政府は公表しているものの、この死には「ウラ」があるという。
なんとルーズベルトは、日本によって呪殺されたというのだ──。
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1945年2月には、チャーチル(左)、スターリン(左)とヤルタ会談を行ない精力的に活動していたが……。
画像:The Army Signal Corps Collection in the U.S. National Archives., Public domain, via Wikimedia Commons
■日本の秘密兵器『大元帥法』とは?
ここからはあくまで都市伝説だが、大戦末期の日本は陸海軍が壊滅状態に陥り、もはや敗戦必至の状態だった。そこで、日本軍と政府首脳は一発逆転を狙い、密教僧たちを総動員してルーズベルト大統領を呪い殺そうとした。
そして、この恐るべき呪殺計画の核となったのが、真言密教に伝わる「大元帥法(だいげんすいほう/たいげんのほう)」だったという。
大元帥法とは、弘法大師・空海の弟子・常暁が平安時代に中国から伝えた修法で、明王(注1)の総帥である大元帥(たいげん)明王の力を借り、国に仇なす敵を調伏し、国を平和にするという秘術だ。
注1/大日如来の命を受け忿怒(ふんぬ)の表情で民衆を仏法に導く仏
■将門の乱や元寇でも秘術が発動
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平将門の乱の鎮圧にも大元帥法が行なわれたという。
画像:豊原邦親画・市川左団次演ずる平親王将門「前太平記」より/Public Domain via Wikimedia Commons
そして、日本は古くからこの秘術で「国家の敵」を撃滅してきた。平将門の乱では総大将の将門を戦死させ、文永・弘安の役では神風を呼び元軍を撃滅。日露戦争でも密かに実行されたとの風聞もある。
ただし、あまりに呪いが強力なので、皇室や朝廷のみが行なえる「禁術」とされた。事実、2024年の大河ドラマ「光る君へ」で描かれたように、藤原道長を大元帥法で呪詛したとして藤原伊周が密告された記録が残っている(注2)。
注2/平安末期の歴史書『日本紀略』や鎌倉時代初めに記された仏教書『覚禅抄』
数々の敵を滅ぼしてきた宮中に伝わる禁断の秘術、まさに日本の秘密兵器だ。そして、ルーズベルトの呪殺にも、この儀式が利用されたのだ。ただし、その結果は思わぬ悲劇を招いたのかもしれない──。
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大元帥法で蒙古(元軍)を撃退したが、鎌倉幕府は滅亡の道へ……。
画像:NDL,Public Domain via Wikimedia Commons