■「悪い顔」の時に霊は忍び寄る

──本の中で、こいでまほさんと中山功太さんから立て続けに「顔が急にちっちゃくなった」、「グレープフルーツくらいの小さい顔をしてた」と言われたと書かれていますが、憑かれているときってそんなに顔つきが変わるんですか?
そうなんですよね……なんか、自分が一番怖かった日があるんです。世間の人から見た僕は、どっきりに引っかかって素直なリアクションをするようなピュアな奴と思われているかもしれないけど、世に出れば出るほど自分のドロドロが際立って……。
そんなとき、自分の顔を鏡で見ると、ちょっとこう、ぐぐぐ……(顔を歪ませる)ってなっていたことがあったんですよ。人の不幸がうれしくなったりして悪い顔なんです。そういうときに(霊を)引き寄せちゃう。
■霊が出るときに吹く「風」

──霊が憑いて顔が変わるというより、霊が憑きたくなるような顔になると?
僕は幽霊に共感されやすいのかもわかんないですね。やっぱりポジティブにしていないとダメだって言われました。ネガティブな奴に寄ってくるみたいです、居心地がいいのか。
でも、それが人間なのかなって思いますよ。自分の嫌なところも認めてね、俺、こんなに怖い顔をしてどす黒いところもあるんだって。
──逆に、怖さを感じない心霊現象もあるようですね。「風が吹くとき」という項では「風はいい霊。友達とかはみんな風」と書かれています。
そうなんです、風を感じますね。生あったかい風、ぬるい風。僕のファンでライブにずっと来てくれてた人のお葬式に行ったときも、ぶわ〜って風が来て、言葉なしでもわかりました。「よう来てくれたな~、ありがとな~」っていうか。別の人のときは、仏壇から風が吹いてきましたね、「俺はここにおるよ」って言いたいんやろうなと思いましたね。
■吉本本社でも怪異に遭遇!?

──そういうほっこりした話も大城さんならではですよね。最後に、吉本本社での体験はありますか? 小学校をそのまま利用していて、夜は不気味な場所もありますが……。
ああ、ここの真上の部屋ですわ。「恐怖!怪談肝試しクッキング4K」っていう番組に呼んでもらって、そこの部屋が控室になってて、出番待ちのありがとう・ぁみちゃん(注1)と一緒に喋ってたんです。そしたら、壁の内側から、ドーーーンッ! ってすっごい音がして、しかも、ぁみちゃんと二人そろって震動まで感じたんですよ。
注1/吉本興業所属。近年は怪談家、YouTuberとしても活躍
──隣の部屋からの壁ドンではなく?
明らかに内側でした。もう二人で「うわあああっ」って顔を見合わせてめっちゃビビって。ぁみちゃんって基本、体験者から取材した怪談をするんで、なかなか自分自身が体験することないみたいで。だから直接自分で体験して、めっちゃビビってたと思いますよ。リアルにこんな顔(目を見開き固まる)してました。
ただ、さすがぁみちゃん、オシャレやったな〜。そのあとの本番で「たった10分前の話なんですけど、していいですか?」って話し始めて。入り方がめっちゃオシャレやったわ……あっ!
──え! ど、どうしました?
これ言ってなかったなあ。うわー、終わってからこうやって思い出すんすよね。今回忘れてて入れてなかった話、思い出したんですよ。うわあ……。
その後も、本書に書かれていない「実話怪談」が次から次へ……。そんなチャンス大城さん、5月11日には大阪・TSUTAYA EBISUBASHI(道頓堀)で、5月18日には東京・芳林堂書店高田馬場店で、本書出版記念イベントが開催されるので、チャンスさんが後悔しきりな未収録話が聞けるかも?
大阪:5月11日(日)13時~ TSUTAYA EBISUBASHI
https://ameblo.jp/tsutaya-4900/entry-12890938201.html
東京:5月18日(日)18時~(開場17時45分) 芳林堂書店高田馬場店
https://www.horindo.co.jp/t20250518/

自伝的エッセイ『僕の心臓は右にある』に続く書籍第二弾はなんと「実話怪談」!ヤクザやヤンキーなどリアルな”ヒトコワ”だけでなく、幼い頃から遭遇してきた心霊体験をまとめた怪談全43話を収録。
