■日本のコンビニにも見慣れた韓国ソジュの小瓶が並ぶ時代が来た

 日本の事務所から写真が数枚送られてきた。

 コンビニかスーパーの酒売り場の写真らしい。そこには日本のトリスウイスキーや地酒のとなりに我が国のソジュ(焼酒)が並んでいた。以前から飲み屋さんで流通していた日本独自の大きなボトルではなく、韓国の飲食店では見慣れたあの緑の小さなソジュ瓶である。

 新大久保や鶴橋などの韓国食材店ではなく、埼玉県と福島県で撮ったものだという。日本の人がいつでもソジュを飲めるようになったわけだ。

日本の埼玉県のコンビニに並ぶ韓国ソジュ(右上)。

ラベルはカタカナではなくハングル!韓国では見慣れた酒が日本の酒と肩を並べる日が来るとは……

日本の福島県のコンビニに並ぶ韓国ソジュ(左上)

 私が日本に語学留学していた90年代後半のことを思うと、これはとても感慨深いことだ。当時のアルバイト先の焼肉店にも韓国の酒はあるにはあった。レトルトパックに入った加熱処理されたマッコリ。店で独自に漬けた高麗人参酒。その当時、ペットボトルに入った韓国ソジュがあったかどうか記憶は定かではない。

 焼肉店のお客で韓国の酒に関心をもつ人は稀だった。たまにマッコリについて語る人がいると思ったら、それは在日コリアンだったりした。日本人の韓国に対する興味は今が100だとしたら、当時はゼロに近かったと思う。経済も文化もすべて日本が先を行っていた。私の2年弱の留学生活はそれをまざまざと見せつけられた時間でもあった。

 その後、2001年に眞露ジャパンが創刊した広報誌の取材コーディネートを担当したりするなど、日本における韓国ソジュの認知度の変遷には敏感なほうだったが、まさか我が国で流通している緑の小さな瓶が日本全国のコンビニやスーパーに並ぶとは……。