■元祖・韓流四天王チャン・ドンゴンのチャミスルCM、映画『私の頭の中の消しゴム』にも登場

 2005年、元祖“韓流四天王”の俳優チャン・ドンゴンが出演するチャミスルのテレビCMが日本で放送されたときは、「時は来た!」と興奮したが、あれは「竹炭ろ過」を強調したやや高級志向のプロモーションで、我が国の大衆酒の日本デビューとは言えなかった。

 同年、ソン・イェジン(『愛の不時着』のユン・セリ役)とチョン・ウソンが共演した映画『私の頭の中の消しゴム』が、当時の日本では異例の大ヒット。劇中、二人が急接近する場面ではソジュが重要な役割を果たしたのだが、そこに注目する日本の人はあまりいなかったと思う。

ソウル孔徳洞の大衆酒場で待機中のソジュ

■映画『パラサイト』やドラマ『梨泰院クラス』の印象的なお酒の場面

 あれから15年。韓国ソジュがありのままの姿で日本に流通し始めたきっかけが、コロナ禍とは皮肉である。ステイホームで韓国ドラマや映画の視聴者が増えたのが大きな理由だろう。

 アカデミー賞を独占した映画『パラサイト 半地下の家族』(2019年)の冒頭、シュポ(小さな食料雑貨店)の軒先でチェ・ウシクパク・ソジュンがソジュを飲む場面が印象的だったと言う日本の知人は多かった。

 ほかにも『梨泰院クラス』(2020年)のパク・ソジュン演じる主人公パク・セロイと父が酒を酌み交わすシーンや、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』(2018年)で主人公(イ・ソンギュン)が兄弟や仲間と繰り広げる飲み会など、多くの韓国ドラマにたびたび出てくる飲酒場面を見れば、飲んでみたくもなるだろう。

 今後も韓国ソジュについてあれこれ書いてみたいと思う。(つづく)