Netflixの9月の人気ランキングで上位に入っていたのが『花様年華~君といた季節~』だった。韓国tvNで2020年に放送されたドラマなのだが、さすがにNetflixに入った効果は大きく、最近になって改めて注目を集めるようになった。

 主演はユ・ジテイ・ボヨンだ。2人は40代になった「現在」を演じている。

 そして、それぞれの「過去」に扮しているのが、ジニョン(GOT7)とチョン・ソニである。

『花様年華~君といた季節~』は主人公2人の青春の日々と悩み多き40代を交互に描きながら、人生の深みと切なさを表わしている。特に、チョン・ソニとイ・ボヨンがイメージの上で絶妙につながっている。

「イ・ボヨンの20年前の役でチョン・ソニをうまくキャスティングしたなあ」

 率直にそう思える。そのこともドラマの好印象の一因になっている。

■花様年華、人生で最も輝いた瞬間の甘美な思い出が胸に迫る名作

 物語の冒頭で、ハン・ジェヒョン(ユ・ジテ)が出所してくる。彼は会長の罪の身代わりとなって刑務所に入っていたのだ。この一事だけでも、ジェヒョンの現在の境遇を察することができた。彼は大企業の会長の娘と結婚し、相応の役職についていた。しかし、妻との関係は冷え切っていて、仕事でも泥をかぶる立場だった。

 そんなジェヒョンに、中学生の息子が学校で怪我をしたという連絡が来る。同級生に椅子を投げつけられたのだ。校長室に行くと、相手の中学生の母親もやってきた。その瞬間、ジェヒョンはすぐに席をはずした。顔を見られたくなかったのだ。なぜなら、母親が大学時代の最愛の後輩ユン・ジス(イ・ボヨン)だったからだ。

 結局、学校からの帰りの駅で再会した2人。今はまるで別世界に生きているかのように立場が両極端になっていた。