『20世紀のキミ』は、「キム・ユジョンが高校生を演じるとかならずこうなる」という期待感をまったく裏切らない内容だった。彼女が演じるナ・ボラは心臓を患っている親友のキム・ヨンドゥの初恋を手助けする役割だった。

 このキム・ヨンドゥに扮しているのはノ・ユンソ。『私たちのブルース』で妊娠した高校生を演じていた彼女が、この映画では好きな同級生に夢中になる役に扮していた。

 彼女が恋したのはイケメン同級生のペク・ヒョンジン(パク・ジョンウ)……そう錯覚してしまったナ・ボラは、ペク・ヒョンジンの親友のプン・ウノ(ピョン・ウソク)のほうに恋心を抱く。しかし、心臓の手術を終えてアメリカから戻ったキム・ヨンドゥから詳しく聞くと、彼女の本当の恋のターゲットはプン・ウノだった。

 親友と同じ相手に恋をしてしまい、心の葛藤がナ・ボラを苦しめていく。

 こういう展開から「やがて20年後」という流れになっていくのだが、『20世紀のキミ』には高校生ラブロマンスの定番となる要素がこぞって織り込まれていて、設定自体には変化球がなかった。「出会い」「誤解」「和解」「別れ」をキーワードとする展開にはすべてド真ん中のストレート級のエピソードが盛り込まれていた。

 そして、抒情的な「その後」に物語は引き継がれていった。

 高校生活に前向きに取り組んで明るくひたむきに生きる10代のナ・ボラ。大人の女性となって青春の日々を情感豊かに振り返る30代のナ・ボラ。

 それぞれの日々が適役のキム・ユジョンとハン・ヒョジュによって演じられたことを嬉しく確認できたという意味で、『20世紀のキミ』は心地よい感覚を残してくれる映画であった。

『20世紀のキミ』画像出典:Netflix Korea