イ・ドヒョンは、2016年、名門・中央大学演劇映画科2年のときに演劇の舞台に立った。2017年、『刑務所のルールブック』でチョン・ギョンホ演じる刑務官イ・ジュノの青年期、将来を嘱望される野球選手だった頃を演じ、ドラマデビューしている。
182cmの長身で、キリリと美しい切れ長の目、滑舌のいい低音ボイスも魅力の彼が、世に知られるようになったのは、2019年のファンタジーロマンス『ホテルデルーナ〜月明かりの恋人〜』だ。IU演じるヒロインの“心の傷”として残る高句麗の護衛武士に扮し、過去の回想エピソードに登場。決して多くない出番にもかかわらず、沈深にして切ない演技で爪痕を残した。
さらに、連ドラ初主演作『18アゲイン』では、38歳の精神のまま身体だけが18歳に戻ってしまった“おじさん高校生”役に。キム・ハヌル演じる妻に向けた温かな愛から、18歳の子どもたちに対する父性までを表現。
続く、Netflixオリジナルシリーズ『Sweet Home―俺と世界の絶望―』では、周囲がモンスター化していくアパートの中で、生存した人々のリーダーになっていく青年役に抜擢。感情を表に出さない理性的キャラクターを抑制のきいた演技で見せ、業界記者たちから「本作でもっとも目立った俳優」と絶賛されたほどだ。
初の地上波作品で主演を演じた『五月の青春』では時代に翻弄された男女の愛を、『メランコリア〜僕らの幸せの方程式〜』では数学の天才に扮し、イム・スジョン演じる女性教師との純愛を繊細に演じるなど、多様なジャンル、多様なキャラクターを自分だけのものにし、2022年には、韓国のエンタメ誌『CINE21』の特集で62人の業界人が選ぶ「安定した演技力で、もっとも注目する新人俳優」の1位に選ばれている（女優の1位はハン・ソヒ）。
