■チョン・ドヨンとパク・ヘイルのときめきハングルレッスン
両親を早くに亡くした海女のヨンスン(チョン・ドヨン)が読み書きができないことに気づいた郵便配達夫ジングク(パク・ヘイル)は、国語の教科書やノート、鉛筆をプレゼントして、いっしょに勉強を始める。ほめながら教える郵便配達夫の指導法とヨンスンの猛勉強で読み書きはみるみる上達する。
韓国語学習者ならわかると思うが、ハングルが少し読めるようになると、街なかのハングル看板を片っ端から読みたくなるものだ。
「위험 들어가지 마시오(危険 入らないでください)あ~この辺りの海は深くて危ないから入るなってことね」
「삼!천!리! 자!전!차!(三!千!里! 自!転!車!)」
「개 조심(犬、注意)」
ジングクの自転車の後ろに乗ったヨンスンは、牛島で見かけるハングル看板を次々に口にする。今まで読めなかった文字が読め、意味がわかるようになると、景色が違って見える。そんな初期学習者の喜びを純朴な島娘に扮したチョン・ドヨンがのびのびと演じている。
韓国語学習も中級クラスになり、壁にぶつかっている人はこのシーンを見れば、ハングルが読めるようになったときの感動が蘇ってくるだろう。
ご機嫌なヨンスンは、石垣の落書きに弟の名前を見つける。
「조!영!호!(チョ!ヨン!ホ!)あっ、弟の名前だ!」
そのあとに微妙なことが書いてあることに先に気づいてしまったジングクが制止しようとするが遅かった。
「조영호 !×!×!×!……(チョ・ヨンホ!×!×!×!……)」
このときのヨンスンのバツの悪そうな顔は、これぞチョン・ドヨンと言うべき名演技だった。
韓国語学習を通して愛を育んでいく二人。このあと物語は一転二転するが、当時30歳そこそこのチョン・ドヨンと20代後半のパク・ヘイルは、胸を熱くさせる場面をいくつも見せてくれる。
公開から20年が経った今もこの映画は私のなかで「人生ラブストーリー(生涯最高のラブストーリー)」であり続ける。Prime Videoなどでも視聴できるので、ぜひ観てほしい。