■済州島は刺身天国!
康 済州島では美味しい魚介類がどこへ行っても楽しめます。まさに「刺身天国」。でも、注文のシステムが日本とちょっと違います。ヒラメやタイなど好みの魚の名を店に言って、それを丸々一匹さばいてもらうのです。つまり、基本は「一匹の魚の料金を払う」ということ。そうすると、大皿に並々と盛った刺身が出てきますし、付随したサービスで他の刺身やつまみが無料で出てきます。もう、テーブルに並びきれないほどの海鮮料理が並びます。その光景は壮観ですよ。刺身を食べたあとはアラでメウンタン(辛いスープ)を作ってくれるので、それも凄く楽しみです。
小暮 確かに鮮魚市場に行くと、そのようなスタイルが多いですね。今年の5月に済州島南西部にある摹瑟浦(モスルポ)という港町へ出かけました。港近くの食堂では、旬の魚3種類の刺身を盛り合わせで出してくれましたよ。ちょうど済州島の名物であるスズメダイの季節だったんですが、盛り合わせには入っておらずちょっと残念でした。
康 あの魚は地元で「チャリ」と言います。両親は済州島の出身ですが、子供の時に食べたあの味が忘れられないとよく言っていました。刺身にすると小骨が多いんですが、キュウリと和えると焼酎に抜群に合いますね。その結果、「チャリ」を食べたときはかならず極度の二日酔いになります(笑)。
小暮 塩辛の「チャリ」は食べたことがあるんですが、キュウリと和えた「チャリ」も焼酎と共に味わってみたいです。そして二日酔い体験も……(笑)。済州島最大の市場である東門(トンムン)市場に行くと、複数の魚や済州島ならではのミナミアカザエビなどを盛り合わせて販売している店もあります。
康 水揚げされたばかりの魚を食べられるわけですから、抜群に鮮度がいい。ちょっと奮発してでも美味しい旬の魚を味わいたいですよね。刺身以外で、済州島でお勧めの海の幸はありますか?
小暮 中西部の翰林(ハンリム)という港町では、丸ごと一匹の太刀魚を塩焼やメウンタンにして出してくれる食堂があります。テーブルに並べられただけでかなりインパクトがありますし、皮はパリッと、身はふわっと焼き上げられた太刀魚の塩焼は絶品でした。同じく翰林で食べられるクボガイのカルグクス(麺)も最高です。細かく叩いた巻貝とメセンイという海藻が入ったスープからはまさに磯の香りがします。
康 聞いているだけで磯の香りが漂ってきますよ(笑)。まあ、済州島に限らず韓国の港町に行くと、アワビのお粥を食べられるでしょ。アワビの旨みがよくしみこんだお粥で、本当に美味しいですよね。小暮さんも、韓国ドラマに登場した地方の絶品グルメには思い出が多いでしょ?
小暮 多すぎて1時間でも2時間でも語っていられます(笑)。でも、まだ食べたことがないんですが、『ゴハン行こうよシーズン2』で、グルメブロガーのク・デヨン(ユン・ドゥジュン)が美味しそうに食べていたケグクチという鍋を食べてみたいんですよ。忠清南道・泰安(テアン)の郷土料理で、醤油漬けにしたワタリガニを浅漬けキムチと一緒に煮込む鍋料理です。一般的なワタリガニの鍋とは全く異なる味わいなんだそうです。
康 ワタリガニですか。ぜひその味にアタリたい(笑)。次に韓国へ行ったときに要チェックですね。
小暮 その地方へ足を延ばさないと味わえないご当地グルメを求めて、私の韓国地方旅はまだまだ二日酔い覚悟で続きますよ(笑)。