3~6月に旬を迎える南海のカタクチイワシを求めて南海伝統市場にある五福(オボク)食堂に入店。唐辛子、ニンニク、青唐辛子などと共に煮込んだカタクチイワシを、サンチュやエゴマの葉に包んで食べるミョルチサムパプを注文した。

 カタクチイワシを玉葱や長ネギと共に煮込む食堂が多いが、この店では母親から教わったという昔ながらの作り方で調理しているそうで、玉葱や長ネギの代わりに大量のニンニクの芽が入っていた。

 一匹のイワシを少量のごはんとともにサンチュに巻いて口に運んでいたところ、突然オモニ(おかみさん)がスプーンで目の前の鍋のイワシをぐちゃぐちゃに潰し始めた。「これが母親から教わった食べ方なのよ」といいながら、それを実践してくれたのだ。確かにこの方がイワシの身が崩れて食べやすいし、イワシにスープの味が染みてより美味しく感じる。

 慶州(キョンジュ)と浦項(ポハン)から日帰り旅に来たという隣席の4人組も、初めての南海の味に大満足の様子だった。

ピリ辛に煮込んだカタクチイワシをサンチュで巻いて食べる郷土料理のミョルチサムパプ

●南海へのアクセス

ソウル南部バスターミナルから南海バスターミナルまで約4時間30分。

釜山西部(沙上)バスターミナルから約2時間30分。