パク・ミニョンとソ・ガンジュン主演の韓国ドラマ『天気がよければ会いにゆきます』は、静かに惹き込まれていく繊細なロマンス作品だ。雪深い冬の山里を舞台にしているため、猛暑の夏に見ると少しだけ涼をとった気分になれる。
都会での生活に疲れ、高校時代を過ごした田舎町に戻ってきたヘウォン(パク・ミニョン)とその村で書店を営むウンソプ(ソ・ガンジュン)。それぞれ辛い過去を背負いながら生きる2人。互いの優しさと思いやりによって、クロスワードパズルのマス目が埋まっていくかのように、少しずつ真実が明らかになり傷が癒えていく。終盤に向かうにつれ、山の峰に積もる雪が解けレンギョウの花が咲く春へと変わる季節の移ろいが美しく描かれている点にも注目だ。
ヘウォンの実家のペンション・クルミハウスとウンソプが営むグッドナイト書房のロケ地、韓国北東部・江原特別自治道・寧越(ヨンウォル)郡を紹介しよう。
■『天気がよければ会いにゆきます』ロケ地、自然豊かな寧越の観光スポットとご当地グルメ
山間部を流れる南漢江が、郡の中央部で東江と西江に分岐する。その川沿いには朝鮮半島に似た地形や絶壁から突き出たように立つ仙石(ソントル)と呼ばれる岩など風光明媚な景勝地がある。
蓬莱山(ポンネサン)の海抜約800メートルの位置にあるピョルマロ展望台からは、800ミリの反射望遠鏡を利用して星雲や銀河など実際の宇宙の姿を観測できるそうだ。
自然豊かな寧越では、山奥の洞窟の湧水で育てられた鱒(マス)が名物だ。ある食堂で鱒の刺身丼を注文したところ、店頭の水槽からピチピチと活きのよい鱒を網ですくい揚げ調理場へ運んで行った。
角切りにカットされた鱒が野菜と共にトッピングされた丼には、酢コチュジャンとごま油に加え、きな粉を振りかけよく混ぜてから食べると美味しいと店主が教えてくれた。鱒のアラに豆腐や野菜が入った鍋まで出してくれ、寧越の川の幸を満喫した。