人気ドラマのロケ地と地方の絶品グルメをメインで取り上げた書籍を刊行したあと、「改めて忘れられない絶品グルメ」を思い浮かべたときに真っ先に出てきたのが済州島(チェジュド)のアワビ粥であった。
■ペ・ヨンジュンも愛した済州島のアワビ粥の名店
済州島のアワビ粥にはアワビの肝のエキスがしみ込んでいる。それだけでなく、アワビの切り身も入っていて、柔らかい粥とシコシコのアワビが抜群の組み合わせとなっている。
さらに、済州島の多くの食堂でアワビ粥を注文すると、多彩な海産物がサービスで付けられるので、テーブルは一気に海の幸であふれる。その迫力には本当に圧倒されてしまう。
そんなアワビ粥の名店が済州市にある「ファジンアワビ」。ここはペ・ヨンジュンが絶賛した店であり、店内にはペ・ヨンジンのサイン入りの写真も掲げられていた。実際、ペ・ヨンジュンがこの店に行っていたのは、2007年に『太王四神記』を撮影している最中であったことだろう。
この『太王四神記』は特に記憶に残る作品であり、ロケセットの建設中から取材に行っていた日々を懐かしく思い出す。
当時、『太王四神記』のロケ地は済州島の中でも、王宮を再現したメインロケ地と砦と庶民の村を造った第二ロケ地に分かれていた。具体的な場所は、メインロケ地が妙山峰(ミョサンボン)、第二ロケ地が城邑(ソンウッ)民俗村の周辺だった。
メインロケ地はまわりが完全な森林地帯だが、その中に巨大な施設が建設されていた。工事中に展望台に上がってみると、眼下にロケ地の全貌が見渡せた。高層の王宮が何棟も見えていて、壮大なドラマのスケールが実感できた。というより、施設があまりに本格的すぎて、まるで「本物」の王宮を建設しているかのようだった。