――ここからは海外メディアの方々からの質問です。
Q:映画のキャラクターと俳優がとても合っていると感じましたが、本来この俳優たちを念頭に置いてキャスティングされたのでしょうか? また、どのように出演を決めて、キャラクターを作られたのでしょうか?
オム・テファ監督「私は脚本を執筆するときに特定の俳優を念頭に置くことはなくて、書いた後にキャラクターにもっとも相応しい俳優が現れると考えます。かといって私が考えていた俳優がダメな場合もあるし、全く考えてもいなかった俳優から連絡が来る場合もあるわけですが、この作品の場合はその二つの経験をすることになりました。最初はイ・ビョンホンさんにまず出演を提案し、2週間後に出演されるというお返事がきた後、他の役のキャスティングを考えているなかで、ありがたいことにパク・ソジュンさんとパク・ボヨンさんから連絡をいただきました。そのとき一生の運を全部使い果たしたんじゃないかと思うほど(笑)とても幸せな気持ちになりました」
Q:一番記憶に残っているシーンを教えてください。
オム・テファ監督「個人的には映画の初めの方でアパートの外部の人々をどうするか決定する町内会のシーンがとても好きです。あのようにたくさんの俳優たちと一緒に撮影するのは初めてだったので、とても緊張したし、心配もありました。でも、素晴らしい俳優たちが集まったためか、皆さん自らそれぞれの状況を設定し、次第にシーンが作り上げられていく様子を見るのがよかったです」
パク・ボヨン「私は、みんながアパートの中央に集まってお祭りをする場面が記憶に残っています。一歩下がってみれば奇怪な様子に見えますが、私たちのアパートの状況を第三者の立場で見つめさせられる感じを受けたので、個人的には好きなシーンです」
パク・ソジュン「すべてのシーンが好きですが、黄桃を分けて食べるシーンが印象的でした。映画を観て思ったのが、そのシーンがこの映画の中で最も甘いシーンだったように思いました」
イ・ビョンホン「私もパク・ボヨンさんと同じように、人々が外部から持ち込んだ食べ物でお祭り騒ぎをするシーンですね。その過程も皮肉な状況で、歌ったり踊ったりする滑稽な雰囲気から、私が演じたヨンタクの暗い物語が映し出される部分がとても強烈に感じられました」
Q:素晴らしい監督と演技者の皆さんが集まりましたが、映画をどれくらい楽しく撮影されましたか?また、劇中に黄桃とカイコのさなぎの缶詰をおいしそうに食べる場面がありましたが、映画を観ながら食べるスナックでおすすめしたいものがありますか?
イ・ビョンホン「暑い夏の時期に酷寒の演技をしなければならないし、撮影現場で厚い衣装を着て何か月も撮影しなければならないのはとても大変でしたが、意外にもスタッフ、俳優みんなが和気あいあいと楽しく撮影できたように思います。皆さん人気のある俳優さんたちなので、ファンからのケータリングサービスが毎日のように来て、あるときには3台も続きました(笑)。それでみんな楽しくおいしい物を食べることができたし、監督が演出する合間に一番最初にケータリングの列に並んでおいしそうに食べられる姿を見ながら、本当に純粋な方が映画を撮影されるんだなと思いました。監督が一番前に並んでスナックを食べる様子をご覧になりたい方は、私のインスタグラムで見ることができます」(会場笑)
パク・ソジュン「イ・ビョンホン先輩がおっしゃるように撮影当初はとても暑かったので、大丈夫だろうかと思ったんですが、人間というものは環境によく適応できるんだなと思うほど、次第に我慢できるようになりました。それ以来、演技にもっと集中できるようになりました。また、黄桃にはいろんな意味があったと思います。私は映画館では集中して映画を観るのが好きなので、あまり水も飲まない方なんですが、あえておすすめするとしたら、韓国のマルチプレックスシアターではバターイカなどおいしいものがあるので、ぜひ韓国にいらっしゃった際は映画館でお試しいただくのはどうかなと思います(笑)」
パク・ボヨン「暑い現場で撮影したためか、みんな同志のような団結力がありました(笑)。それで、根気よく撮影することができたと思います。それと、私は映画を観るときはいつもポップコーンを食べるので、ポップコーンをお勧めします(笑)。ちなみに私は甘い味とオニオン味が好きです」
オム・テファ監督「(ケータリングの一番前に並んだ)そのとき私が食べたのはタッコチ(焼き鳥)だったんですが、私が今まで食べたタッコチのなかでも一番おいしかったので、またいつ来るだろうかとずっと待っていました(笑)。皆さんも時間があれば、ぜひ食べてみてください」