Q:お祭りをするシーンで、歌ったり踊ったりする中でイ・ビョンホンさんの顔が大きくクローズアップされるシーンがありますが、どのように演技されましたか?

イ・ビョンホン「私の顔が大きいという意味かと思ってちょっとショックを受けましたが(笑)。そのシーンは予め台本に計画されていた部分だったので、私にとっても重要で、この映画にとってもとても重要な瞬間であると思ったし、負担にも感じました。まずこの映画全体は笑いと緊張感が交差する部分がこの映画の大きな魅力だと思うんですが、このシーンも同じく笑いを与えながらもダークな側面を見せるシーンでした。実は歌いながら踊るシーンに自信がなくて、後輩からダンスを教えてもらいました。実際は大したことのないおやじダンスですが、それが得意な後輩がいたので、一番おやじダンスらしいダンスを教えてほしいと頼んで教えてもらいました。歌はアルバムを出した歌手として……冗談です(笑)。回想から戻ってきてからのシーンでは、自身の事情を思い浮かべながらも、人々の前では変わらずに楽しそうに歌うふりをする、そういうシーンは感情を気にしながら撮影に挑みました」

――横で踊るパク・ソジュンさんもおやじダンスを一緒に教わったんですか? 踊られる姿を見てびっくりしましたが(笑)。

パク・ソジュン「合いの手を入れるくらいですが……(笑)」

オム・テファ監督「実はあのシーンはテストカットだったんです。その後も何度か撮影したんですが、テストのときの感じがとてもよかったので、そのまま使いました」。

Q:パク・ソジュンさんとパク・ボヨンさんお二人は夫婦の演技をどのようにされましたか?

パク・ボヨン「実はお会いした初日が、前半に登場したウェディング写真やデート写真の撮影だったので、すぐに親しくなれたと思います」

パク・ソジュン「私は最初から通じるところがある人だなと感じました」

パク・ボヨン「あら~、そんな突然?」(会場笑)

『コンクリート・ユートピア』アジアプレスカンファレンスより

Q:絶対的権力は絶対的に腐敗するという説がありますが、そのような演技をとても上手くされたと思います。個人的にはそのような権力を上手くやり遂げるタイプだと思いますか?それともそうでないと思われますか?

イ・ビョンホン「先ほど韓国の記者の方々からもこのような質問を受けました。もし、私に住民代表という責任が与えられたら、それを務めることができるか、するタイプかという質問がでたんですが、そのような役割を引き受けるのはとても難しいですね。やることが多いのもそうですが、選択しなければならないことがあってもとても優柔不断な方なので……。それに、監督として演出する気持ちはないかという質問を受けることも多いのですが、監督という職業は最初から最後まで常に決定をしなければならない仕事だと思うので、優柔不断な私が監督をするならそれこそ災難に近いものになってしまうだろうと……(笑)。とにかく権力とは正反対の人間だと思います」

『コンクリート・ユートピア』アジアプレスカンファレンスより

Q:最後に海外のプレスの皆さん、そして現地のファンの皆さんに挨拶をお願いします。

オム・テファ監督「最初にご挨拶した時に、韓国の独特な住居形態であるアパートを舞台とした物語をどのようにご覧になるのかとても気になるとお話ししましたが、どのような所を見慣れない部分と感じ、どのような所を人間の普遍的な感情だと感じたのか、そういったところがとても気になります。そして、やはり、同じアジアの文化圏として通じる部分があるのではないかとも思います。ぜひ感想を伺う機会があればと思います」

パク・ボヨン「映画を気に入っていただけましたら、よいレビューと記事をよろしくお願いします(笑)また良い作品でお目にかかることができたら嬉しいです。本日はありがとうございました」

パク・ソジュン「私の出演した作品がOTTを通じて海外でもたくさんご覧いただいていると聞いて、とても感謝しています。今回は『コンクリート・ユートピア』という映画を、OTTではない映画館でぜひご覧いただけたらとても嬉しいです。多くの関心を持ってくださり本当にありがとうございます」

『コンクリート・ユートピア』アジアプレスカンファレンスより

イ・ビョンホン「この映画を皆さんがどのように感じられるかがとても気になります。私は個人的に別の文化圏の映画を観るときに感じる面白さが好きな方ですが、ご覧になる方々がそのような面白さを感じてもらえたら嬉しいです。できれば直接ファンの皆さんにお会いしてお話しできる機会がたくさんあれば嬉しいです。この場を通して韓国映画ファンの皆さんにご挨拶したいです」

●Profile

イ・ビョンホン/1970年7月12日生まれ。1991年、ドラマデビュー。代表作に、『美しき日々』『ミスター・サンシャイン』『私たちのブルース』『イカゲーム』、映画『JSA』『甘い人生』『MASTER/マスター』『KCIA 南山の部長たち』など多数。

パク・ソジュン/1988年12月16日生まれ。2012年、ドラマ『ドリームハイ2』で本格デビュー。代表作に、ドラマ『花郎<ファラン>』『キム秘書はいったい、なぜ?』『梨泰院クラス』、映画『悪のクロニクル』『ミッドナイト・ランナー』『ドリーム〜狙え、人生逆転ゴール!〜』。米映画『マーベルズ』が11月10日日米同時公開予定。

パク・ボヨン/1990年2月12日生まれ。2006年、ドラマ『秘密の校庭』でデビュー。代表作に、『ああ、私の幽霊さま』『力の強い女 ト・ボンスン』『ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた』、映画『過速スキャンダル』『私のオオカミ少年』『君の結婚式

『コンクリート・ユートピア』(C)2023 LOTTE ENTERTAINMENT & CLIMAX STUDIO, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

●作品情報

『コンクリート・ユートピア』

2024年1月5日 全国公開

監督:オム・テファ 出演:イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨン、キム・ソニョン

(C)2023 LOTTE ENTERTAINMENT & CLIMAX STUDIO, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

日本公式サイト https://klockworx-asia.com/CU/