そんななかで、王宮では逆徒が現れ、不穏な動きに。珍しく泥酔し臣下たちに陽気に振る舞うサンだが、その裏には逆徒の疑いにより義弟を殺さざるを得なかった苦悩があった。
自分を案じるドギムに、「お前が私を一番苦しめているくせに」「なぜそんな目で見る」と嘆くサン。
一方のドギムは、サンがどんなにご機嫌に振る舞っても酒で苦しみを無理に紛らそうとしていることなどお見通し。「つらそうだから。私は何もして差し上げれず無力を感じるばかりです」と神妙な面持ちで訴える。サンが苦しんでいると、ドギムの胸もまた張り裂けそうに痛むのだ。
そんな彼女の言葉に愛を感じたのだろうか。ドギムの腕をグッと引き寄せ、「私を避けようとした罰だ」と迫るサンにドキドキさせられる。
ちなみに、泥酔してドギムに迫るエピソードは原作に出てくるもの。小説で読むより、さらにサンの酔っぱらいぶりが愉快に描かれており、ジュノの巧演が光る。愉快に振る舞えば振る舞うほど、サンの心の痛みが浮き彫りになり、胸が締め付けられるのだ。
余談だが、原作小説によれば、イ・サンは少食で偏食だが、大酒飲みということ。ドギムを側室に迎えたのちのサンが、酔っ払って夜遅くに眠る我が子を起こしたり、四書五経を大声で読み出したり、妻ドギムを呆れさせるおもしろエピソードも描かれており、ぷっと笑える。
●作品情報
『赤い袖先』
[2021年/全17話]※TV放送は日本編集版の全27話
演出:チョン・ジイン、ソン・ヨナ 脚本:チョン・ヘリ
出演:ジュノ(2PM)、イ・セヨン、カン・フン、イ・ドクファ
DVD&Blu-ray販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン